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広告と楽器、二つの事業で「関わる全員の利益」を追う経営

株式会社みずほプランニングは、広告代理店事業と中古楽器事業を営む福岡の会社だ。代表の和田充貴氏は、営業職・広告代理店勤務を経て2023年10月に独立。クリニックの開業支援で培った縁を起点に、テレビ・新聞から動画配信サービスTVerの広告出稿まで手がける。本記事では、創業時にどう経営基盤を整えたか、そして「関わる人すべてが利益を得る」という一貫した価値観と、少数精鋭で描く成長構想を追う。

目次

二つの事業を持つ広告代理店

みずほプランニングの主力は、売上の約8割を占める広告代理店事業だ。企業やクリニック・医療機関のブランディング、サイン施工などを支援する。もう一つの柱が「福岡楽器買取センター」を屋号とする中古楽器事業で、管楽器を中心に買取・修理メンテナンス・中古販売を行う。

一見離れて見える二事業だが、和田氏の中では地続きだ。和田氏自身、学生時代から吹奏楽に親しみ、音楽を通じて多くの経験や人との縁を得てきた。自身の人生を豊かにしてくれた音楽への恩返しと、広告事業で培ったマーケティングの知見を生かせる事業として、中古楽器事業を立ち上げた。業界内のネットワークや既存の仕組みも活用しながら、事業を成長させている。

「今、日本ではリユース産業がかなり伸びている」と和田氏は語る。テレビ・新聞・チラシ制作などを通じたクライアントへのマーケティング支援と、自社の楽器買取事業は、同じ市場感覚の上に立っており、双方の事業に相乗効果を生み出している。

独立への道と、創業時の経営基盤づくり

和田氏のキャリアは2015年、放送関連の営業職から始まった。その後、福岡の広告代理店に転職し広告実務を幅広く経験。「20代のうちに結婚して、30歳で独立して社長になりたい」という漠然とした人生設計を胸に、2023年10月、31歳でみずほプランニングを立ち上げた。

背中を押したのは、クリニックの開業支援を行う一般社団法人メディカルスタディ協会での経験だ。和田氏は同協会の理事、そして九州の事務局長を務める。開業に携わる士業の先生方や、自ら独立した経営者の先輩たちと日々接するなかで、「自分も一つの会社をやっていきたい」という思いが強くなっていったという。

広告業は媒体社への支払いが先行するケースも多いため、創業時には運転資金の確保を特に重視した。周囲の専門家にも相談しながら事業計画を練り、金融機関からの融資も活用して必要な経営基盤を整えた。

テレビとデジタルを横断した広告提案

今後の広告事業で和田氏が強化するのが、動画広告やSNS広告だ。テレビ離れ・新聞離れが顕著になるなか、YouTubeやX、Instagramの広告が伸びている。なかでも和田氏が力を入れるのが、TVer(ティーバー)への広告出稿だ。みずほプランニングでは、テレビCMなどのマス広告に加え、TVer広告の出稿にも対応している。

「TVer広告は、YouTubeの動画広告とテレビCMのいいとこ取りができる」と和田氏は説明する。視聴者は見たいドラマの合間に、テレビを見る感覚で広告に接するため嫌がられにくい。スキップができず、音声も届く。さらにテレビCMと違い、少額の予算で市区町村単位の配信ができ、性別・年齢のセグメントも可能だ。「YouTubeの柔軟さと、テレビの信頼性、その両方を取れる広告です」。

こうした対応の背景には、既存のクライアントワークの積み重ねがある。これまで全国各地のテレビ局や新聞社と築いてきたネットワークも、現在の提案力につながっている。長年積み上げた点と点が、線としてつながった格好だ。

「関わる人すべてが利益を得る」という判断軸

経営判断で和田氏が最も大切にするのは、「関わる人すべてが利益を得られること」だ。自社の利益、そして自身と従業員の給与はもちろんベースにある。その上で和田氏が強く意識するのが、取引先の利益である。

「広告業界では、価格競争の中で協力会社やクリエイター側に負担が偏ってしまうケースもあります。だからこそ、関わるクリエイターやパートナーにも適正な利益が残るサービス設計を大切にしています」と和田氏は言う。そこからお客様の増収増益を支援でき、自身を含めた社員が社会的に成長できる——そうした判断を積み重ねたいと考えている。

少数精鋭で、一人ひとりが数字と責任を持つ組織へ

数か月前まで、みずほプランニングは和田氏一人の会社だった。売上のほとんどを自ら生み出してきたが、「体は一つ、時間が足りない」と限界も感じていた。現在は新たな営業人材も加わり、組織づくりを本格化させている。

和田氏が目指すのは、規模の拡大そのものではなく「生産性の高い少数精鋭の組織」だ。採用では営業力などのスキルに加え、会社全体を自分ごととして考え、主体的に行動できる人材かどうかを重視している。

働き方については柔軟性を持たせながらも、重要な戦略や方向性を共有する場面では、対面でのコミュニケーションを大切にしている。福岡在住で月1〜2回の戦略会議ができる人材を探している。

成長の姿は数字でも明快だ。3年後に売上5億円・従業員5名を目標とする。ただし人数を増やすこと自体を目的とするのではなく、高い生産性を持つ少数精鋭の会社を目指す。「一人ひとりが責任を持って数字を追い、社会に貢献できる人材を探すことを最優先にしたい」。

AIと人の掛け合わせ、そして楽器事業の全国展開へ

業界の立ち位置について、和田氏は広告と楽器の二つの事業それぞれで展望を描く。

広告では、AIが当たり前に使われ、デザインから動画までAIが生成できる時代になった。それでも和田氏は、AIが進化しても、誰に何を伝えるのかを考え、最終的な価値を判断するのは人だと考えている。AIのスピードやアイデアと、人間ならではの感性・創造性・信頼関係を掛け合わせた広告展開を目指す。

楽器事業では、まずは福岡を代表する中古楽器店を目指し、その先には九州全県、最終的には全国へと事業を広げる構想を描く。二つの事業を通じて「関わる人すべての利益」を追う和田氏の歩みは、まだ始まったばかりだ。

会社概要

  • 会社名:株式会社みずほプランニング
  • 代表者:和田充貴
  • 事業内容:広告代理店事業(企業・医療機関のブランディング、サイン施工、TVer等の動画広告出稿)/中古楽器事業「福岡楽器買取センター」(管楽器を中心とした買取・修理メンテナンス・中古販売)
  • 創業:2023年10月
株式会社みずほプランニング 代表 和田 充貴

編集後記

創業から人とのつながりを大切にしてきた和田氏。だからこそ、「関わる人すべての利益」という言葉に実感がこもる。クリエイターも取引先も共に利益を得る——その姿勢は、AIが多くを代替する時代にあって、人が担うべき仕事の輪郭を静かに示しているように思えた。同世代の経営者として、その挑戦の行方を追いたい。

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