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課題を掘り起こし、教育の根治を目指す──25歳が描く「家庭のコンサル」構想

株式会社sence2Uの代表取締役・國武聖矢氏は、学習塾の現場で「本当に変えるべきは大人の教育だ」という確信にたどり着いた。子どもへの応急処置ではなく、家庭そのものを支える「家庭のコンサル」を教育の根治治療として据える。訪問販売から学生イベントまで多角的に事業を広げながら、東海、そして地方へとパッケージを展開しようとする若き経営者に、その思想と挑戦を聞いた。

目次

教育のボトルネックは「家庭にコンサルがないこと」

國武氏の原点は、一貫して「教育が好きだ」という思いにある。学習塾の現場に立つなかで、氏はある構造的な課題に気づいたという。

「塾に子どもが来た時の基本的な課題は、目標がないから勉強ができない点です。でも、そういうケースほど親の方が目標がないことが多かった。逆に目標がある親のもとでは、子どもも必然的に目標を持つので、課題にならないんです」

ただの学習塾では目標のない子どもへの応急処置に過ぎず、根治治療にはなっていない。塾を卒業した子どもは、大学生や社会人になると再び目標を失って戻ってくる。「これは意味がない」と感じた氏は、最終的に必要なのは大人が目標を持つための教育だと考えるようになった。

そこで構想したのが「家庭のコンサル」である。大人の教育は潜在ニーズであり、進んで受けたいと手を挙げる人は少ない。だからこそ、塾の延長線上で「子どもが勉強するように大人も学ぶ」という形であれば、無理なくアプローチできると氏は語る。

お金が動く仕組みで、教育を変える

國武氏は、教育業界が抱える構造そのものにも目を向ける。

「学習塾がたくさん潰れているのを、18歳までの子どもの数が減っているからと言う人が多い。でも実際は、18歳までにしかサービスを提供できていないだけなんです。18歳以上にも教育サービスを提供できる仕組みがあれば、塾は潰れなくなる」

氏の考えでは、教育がなかなか変わらないのは「お金にならない」からだ。資本主義ではお金が動かなければブレイクスルーは起きず、人材も豊かにならない。だからこそ「家庭のコンサル」というパッケージを学習塾や学校法人に導入し、学校から塾まで一体で提供することで、大きな資金を循環させたいと語る。お金が動けば人材のブレイクスルーが起き、氏が感じてきた教育のボトルネックも解けていく──その仮説に沿って、いま氏は動いている。

訪問販売から学生イベントまで、多角的な事業

sence2Uが手がける事業は幅広い。学習塾のコンサルティング、不動産系の訪問販売、モバイル系の通信事業、新聞社の案件を経営者へつなぐメディア関連事業、法人向けライフラインの取次事業、そして学生と企業をマッチングさせるイベント事業。キャッシュポイントとして現在もっとも伸びているのは訪問販売だという。

なかでも氏が力を入れているのが、学生団体と企業をつなぐ月次のイベントだ。約150人規模で毎月開催し、行政や上場企業も参加するまでになった。

「学生団体はいいことをやっているけれど、営業力や資金が足りない。その足りないところを補うために、学生団体を支援する仕組みをつくったんです。それが大学にはまって、いまでは大学側が学生に告知してくれたり、学祭のメインスポンサーに入らせてもらったりしています」

現場に立つのは氏ではなく、学生たちだ。「企画やブランディング、マーケティング、資料やトークスクリプトはこちらで用意しますが、フロントは全部学生。責任者も学生に任せています」と語る。

課題解決だけを見る──主語は常に相手

経営で國武氏が一貫して大切にしているのは「課題解決」だ。それは顧客に対してだけでなく、従業員にもプライベートにも共通する姿勢だという。

「会う人会う人の課題が何だろうという、そこだけを意識しています。目先の課題を解決すると関係も目先で終わる。だから、今まで誰も解決してくれなかった課題をほじくり返して、そこを解決する。難しい課題であるほど関係は長く続きます」

その根底にあるのは徹底した他者視点だ。「主語が圧倒的に自分じゃない。自分に何ができるかはどうでもよくて、この相手に今何が必要かを考える。そして、その課題を解決できる自分に期日までになる」。塾時代、生徒・アルバイト・保護者を合わせて常時650人と向き合ってきた経験が、逆算でマネジメントする力を育てたと氏は振り返る。

突き抜ける力を持つ人と働きたい

人材については、はっきりとした基準を持っている。

「結論から言うと、突き抜ける力がある人がいい。ある種、人間的な欠陥があっても構わない。これだけは絶対に誰にも負けないというものがある人と働きたい。あるいは、それを作りたい、作れるポテンシャルがある人ですね」

代表になって最も苦労したのも、人に関わることだった。「自分を教育してくれる人がいないことです。その環境を自分でつくらなければいけない」。氏はあえて自分より年齢層の高い経営者の輪に飛び込み、数字やビジョンで対等以上に渡り合える状態を自らつくり出してきたという。

愛知から東海、そして地方へ

今後の展望について、國武氏は明確なロードマップを描く。本命である「家庭のコンサル」は、実績と経験を積んだ先の目標だ。

「25歳の今は、どれだけ熱く語っても若さで受け取られてしまう。だからこの5年間は知識と経験を増やすことに振り切って、いまは大学生の教育をメインにしています」

その延長で広がった学生イベントのパッケージを、まずは足元の愛知で固める。来年中に県内を制覇し、3年後には三重・岐阜・静岡を含む東海圏へ。そして5年後には、九州や東北、離島といった「まだ盛り上がっていない地方」へ展開したいと語る。

「関東や関西は放っておいても盛り上がる。でも東海やもっと地方は本当に盛り上がらない。そういうところが少しでも盛り上がったらいい」。若き経営者の視線は、すでに全国の地方都市へと向かっている。

会社概要

  • 会社名:株式会社sence2U
  • 代表者:國武聖矢
  • 事業内容:学習塾コンサルティング、訪問販売事業、通信事業、メディア関連事業、法人向けライフライン取次事業、学生・企業マッチングイベント事業

編集後記

「主語は自分ではなく相手」と言い切る25歳の言葉には、年齢を超えた芯の強さがあった。教育を変えるには、まずお金が動く仕組みが要る──理想を語りながらも、その理想を現実に接続する回路を常に探している。子どもから大人までを貫く「教育の根治」という視座は、少子化を嘆く業界へのひとつの問い直しでもある。5年後、氏が描く地図がどこまで塗り替えられているか、静かに見届けたい。

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