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「作って楽しい、世の中も幸せに」——空間づくりをトータルに考える経営者

株式会社ネオリスは、店舗やオフィスなどの空間デザインを中心に、設計から施工まで幅広く手がける会社だ。

代表取締役の高橋弘毅氏は、大学卒業後から一貫して内装・インテリアの世界を歩み、2025年4月に独立。長年にわたりさまざまな商業空間に携わる中で培ってきた、デザインだけでなく設備や施工にも精通した知識と経験を生かし、空間づくりをトータルに提案できることを強みとしている。

現在は、これまで築いてきた人とのつながりや紹介を軸に、着実に案件の幅を広げている。

「自分自身も作ることを楽しみながら、世の中の人に喜んでもらえるものを作りたい」。

そんなシンプルな思いを原点に、柔軟でありながらも「記憶に残る仕事」を追求する高橋氏の経営哲学に迫った。

目次

幼少期からの独立志向を、経験を重ねて形に

高橋氏のキャリアは、大学卒業後から現在まで、一貫して内装・空間デザインとともにある。

24〜25歳のころからインテリアデザインの設計・施工に携わり、以来、複数の会社でさまざまな業態や規模の案件を経験してきた。その一つひとつが、現在の仕事の土台になっているという。

独立への思いは、実は幼少期からずっと胸の内にあった。

「いきなり独立できるとは思っていなかったので、まずは他で経験を積んで、自分の実力をつける。資金面も含めて、きちんと準備ができた段階で独立しようと考えていました」

長年にわたり経験を積み、自分なりの仕事のスタイルが形になったことで、満を持して独立を決めた。

その根底にあるのは、空間づくりに対する自身の考えだ。

「いろいろなデザインを見ていると、『自分だったらこう考える』というものが自分の中にあります。それを形にして世の中に発信し、人のためになるものを作りたい。そして、自分自身も作っていて楽しいと思える仕事をしたい」

使う人や訪れる人に喜んでもらいながら、自分自身もものづくりを楽しむ。

自ら会社を立ち上げたのは、そんな空間づくりを、より自由に追求していくためでもあった。

デザインから設備・施工まで、空間全体を考えられる強み

ネオリスの事業の中心は、店舗やオフィスをはじめとする空間のデザイン・設計だ。施工についても、案件の内容や規模に応じて外部の専門会社やパートナーと連携しながら、完成まで一貫して携わっている。

高橋氏が自身の強みとして挙げるのは、その対応領域の広さだ。

「デザインだけに特化しているのではなく、設備や施工についても現場で経験してきました。だから、最初のデザイン段階から、完成させるために必要なことまで考えて設計に落とし込むことができます」

空間デザインは、見た目の美しさだけで完成するものではない。

給排水や空調、換気、電気といった設備、施工方法、コスト、工期、そして実際に店舗を運営する際の使いやすさ。さまざまな要素が複雑に関係している。

現場を知っているからこそ、それらを設計段階から整理し、クライアントが求める予算・スケジュール・デザインのバランスを考えながら、現実的な提案へと落とし込むことができる。

とりわけ多くの経験を積んできたのが飲食店だ。

「商業系の飲食店は、設備も含めて難易度の高い物件が多いんです」

厨房設備をはじめ、給排水、空調、換気など、飲食店には多くの専門的な知識が求められる。そうした案件を数多く経験してきたことで設備分野にも強くなり、その知識は温浴施設など、より設備計画の難しい空間にも生かされるようになった。

「デザインと設備の両方を理解しながら全体をまとめられる人は、それほど多くありません。そこは自分たちの強みだと思っています」

現在の顧客の多くは、これまで築いてきた人とのつながりから生まれている。

前職時代の知人から「独立するなら仕事を頼みたい」と声をかけられるなど、長年の仕事を通じて築いてきた信頼関係が、独立後のネオリスを支えている。

経験を土台に、柔軟に判断する

代表として大変だったことを尋ねると、高橋氏は意外にも淡々としている。

「業務そのものについては、これまでずっとやってきたことなので、そこまで大変だとは思っていません」

一方で、独立前に心配していたのは経営面、特に収入が安定しなくなることだったという。

「会社員と違って、独立すると仕事や収入が常に決まっているわけではありません。そこへの心配はありました。ただ、実際に始めてみると、これまでの経験や人とのつながりに助けてもらいながら、少しずつ形になってきました」

仕事上の判断については、自身の経験を土台としながらも、分からないことを曖昧なまま進めることはしない。

「分からないことがあれば、その分野に詳しい人に聞きます。ただ、一人の意見だけで決めるのではなく、いくつか調べたり、別の人にも聞いたりした上で、自分で判断するようにしています」

直感だけに頼るのではなく、自らの経験と複数の情報を組み合わせ、最終的な判断を下す。

長年にわたり現場でさまざまな課題に向き合ってきた経験が、その判断力の土台となっている。

必要な専門性をつなぎ、柔軟なチームをつくる

今後、事業が広がる中で一つのテーマになるのが、仕事量に合わせた体制づくりだ。

現在は役員2名を中心に、案件ごとに業務委託のパートナーや各分野の専門家と連携しながらプロジェクトを進めている。

会社の規模を大きくすること自体を目的とするのではなく、その案件に必要な専門性を持つ人とチームを組み、最適な体制で仕事に取り組むという考え方だ。

「仕事量がさらに増えてきたときに、どういう体制にするのが一番いいのかは考えていく必要があります。ただ、最初から大きな組織を目指すというより、必要な分野をその都度補いながら、良いチームをつくっていければと思っています」

固定された組織の形にこだわるのではなく、仕事の内容や会社の成長に合わせて柔軟に変化していく。

その姿勢もまた、ネオリスらしさの一つなのかもしれない。

ライバルであり、仲間でもある業界で

今後の展望について、高橋氏はあえて細かな未来図を決めていない。

「何年後に会社をこの規模にするといったところまでは、まだ細かく決めていないんです(笑)」

まずは目の前の仕事に向き合いながら、人とのつながりを広げていく。その中からどのような仕事や出会いが生まれ、会社がどの方向へ進んでいくのか。それ自体を楽しみにしているという。

チェーン展開する顧客が増えるなど、事業がさらに軌道に乗れば、その段階で必要な仕組みや体制を考えていく。将来の形を最初から決めすぎず、状況に応じて柔軟に進んでいく考えだ。

業界の中での在り方について、高橋氏はこう語る。

「同じ業界で仕事をしていれば競合することもありますが、一方で仲間でもあると思っています。自分たちだけでできることには限界がありますし、それぞれの得意分野を持った人たちとつながることで、より良い仕事ができると思っています」

だからこそ、他社との順位を競うことよりも、自分たち自身のスキルや知識、経験を高め続けることを大切にしている。

「自分たちにできることを一つずつ増やして、いろいろな分野のプロフェッショナルとつながっていきたい。その積み重ねによって、自然と多くの方から必要とされる会社になれたらいいですね」

目指しているのは、会社の規模や業界内での順位ではない。

「もっと世の中の人のためになる、記憶に残るような、インパクトのある仕事をしていきたい」

デザインのためのデザインではなく、使う人、訪れる人、そしてクライアントにとって価値のある空間をつくる。

一つひとつの仕事に向き合い、できることを増やし、人とのつながりを広げていく。その積み重ねの先に、ネオリスならではの存在感が形づくられていく。

会社概要

  • 会社名:株式会社ネオリス
  • 代表者:代表取締役 高橋 弘毅
  • 事業内容:店舗・オフィス等の空間デザイン、設計・施工
  • 設立:2025年4月

編集後記

「なんとかなる」と自然体で語る高橋氏だが、その言葉の背景には、長年にわたり数多くの現場を経験してきた確かな裏付けがある。デザインの美しさだけでなく、設備や施工、コスト、スケジュール、そして実際の運営までを見据えて空間全体を考える。その幅広い視点を一貫して束ねられることこそ、ネオリスの強みだろう。将来の会社の形を決めすぎることなく、人とのつながりを大切にしながら、目の前の仕事をより良いものにしていく。肩の力を抜いた自然体の姿勢の中にも、「記憶に残る仕事をしたい」というものづくりへの思いは一貫している。設立からまだ間もないネオリスが、これからどのような空間を世の中に生み出していくのか。その歩みに注目したい。

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