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「自分が思う経営を」——好きな場所で、泥臭く伴走するマーケティング会社

株式会社LUPROは、大企業のマーケティング支援から企業とマーケターをつなぐマッチング事業まで手がける、創業まもないマーケティング会社だ。代表の高堀裕太氏は、日本生命、コンサルティング会社での自動車会社向け新規事業開発支援を経て、マーケティング会社に創業期から執行役員として参画。同社の事業拡大に携わった後、独立。「好きな場所で、誠実に働く」組織のかたちを模索している。独立から一年、営業という壁とどう向き合い、どんな未来を描くのか。等身大の言葉で語ってもらった。

目次

「自分の事業を」——独立までの歩み

高堀氏のキャリアは、新卒で入社した日本生命から始まる。総合職として新卒採用などに携わったのち、二年目で転職。次に選んだのはコンサルティング会社で、自動車メーカーの新規事業開発に二年半、組織の立ち上げから新サービスの構想、リリースまでを一気通貫で担った。

その後、マーケティング会社の創業期から執行役員として参画する。四年ほどで正社員十数名、業務委託を含めれば三十名規模の組織へと育て上げた。インフラ、家電、スポーツ、ゲームといったBtoCサービスの事業戦略・マーケティング戦略の設計から、Web広告やSNS運用まで。幅広い領域で「戦略から実行まで」を積み重ねてきた。

「もともと、自分で会社をやってみたい、自分の事業をやってみたいという思いがずっとありました」。前職が立ち上げ期を終えて拡大期に入り、自身が抱えていた案件も落ち着いたタイミング。「自分が思う事業、自分が思う経営をやってみたい」という思いが、独立の背中を押した。こうして株式会社LUPROが生まれ、一年が経った。

泥臭く伴走する、というマーケティング

LUPROが提供するのは、戦略設計から施策の実行までを担うマーケティング支援だ。数多の会社がひしめく世界で、高堀氏が自社の特徴として挙げるのは「成果に、泥臭くコミットしていること」だという。

「施策をただやる、ということではないんです。事業の目的は何だっけ、いまの体制はどうなっているんだっけ、というところまでお客様と一緒に汗をかいて、悩みながら進めていく」。目標に対して現実的にコミットし、伴走する。その姿勢が評価され、取引が長く続くことも多かった。

だからこそ、マーケティング会社としての矜持もある。「マーケティング会社だからこそ、自分たちの事業を伸ばせないとおかしい。自社の事業もやらずに、どうやって人のマーケティングを伸ばすんだ、という話ですから」。やりたいと思ったサービスは自分たちの手で作り上げていく——その意志が、次の挑戦につながっている。

営業を「仕組み」に変える挑戦

独立して痛感したのは、営業の難しさだった。「提案してお客様に認めてもらい、クオリティを担保して実行する。そこはこれまで通りやってきました。でも自分で立ち上げると、そもそも話を聞いてもらう土俵に立つこと自体が、とても大変なんです」。聞いてもらえれば成果を出す自信はある。だからこそ、その手前の壁の大きさが身にしみた。

前職の顧客を持ち出すことは「不義理になる」と、あえてしなかった。関係性のあるところから少しずつ紹介案件を受けながら、新規開拓のあり方を考え続けてきた。行き着いたのが、属人化しがちな営業を「仕組み」に変えるという発想だ。

その答えの一つが、企業とマーケターをつなぐマッチングサービスである。マーケターを求める企業に、まずは無料で相談の場を提供する。「企業と話ができる場が生まれてきた、というのがいまの実感です」。自社の営業課題から生まれたこの事業を軌道に乗せ、黒字で運営していくこと。それが、この一年の目標だと語る。

好きな場所で、誠実に働く

高堀氏は現在、北海道・帯広と東京の二拠点で活動している。帯広は、もともと縁のあった土地ではない。アウトドアが好きで、登山やキャンプに惹かれ、仕事仲間に誘われて訪れたのがきっかけだった。現在は帯広での暮らしも大切にしながら、東京と帯広、それぞれの土地で仕事や人とのつながりを広げている。

この環境は、高堀氏が理想とする働き方とも重なる。「好きな場所で、好きなように仕事ができる。それがすごく理想的なスタイルだなと思っています」。もし沖縄の人が一緒に働きたいと言ってくれたら、それも大歓迎だという。

一方で、物理的な距離があるからこそ求めるものもある。「自走してもらわないといけない。だからこそ、誠実で、責任感があること。成果が出せる出せないは置いておいて、まずは目の前の仕事に真摯に向き合って頑張ってくれる方と働きたい」。組織は今後、業務委託を含めて拡大していく構想だ。

帯広と東京、二つの拠点から描く未来

中期の目標として、高堀氏は「3年で5億円規模の会社に」というベンチマークを掲げる。前職での成長曲線を一つの目安にしながら、着実に事業を伸ばしていく考えだ。

ただし、数字だけを追うつもりはない。「急に伸びると、組織が崩れてしまうことも多い。体制や組織設計をしっかりやりながら、数字も上げていきたい」。現在は共同経営者との二人体制。三人目、四人目のコアメンバーを集め、組織の土台を固めることが、次の一年のテーマになる。

もう一つ、高堀氏が見据えるのが地域への貢献だ。「せっかくなら十勝というエリアで、少しでも話題になるような活動をしていきたい」。東京で築いてきたネットワークを生かし、優秀なマーケターや新たなビジネスの機会を十勝の企業へつないでいく。東京と帯広、それぞれの強みを掛け合わせながら、自然豊かなこの地に眠る可能性を一つずつ形にしていく。等身大の言葉の端々に、静かな野心がにじんでいた。

会社概要

  • 会社名:株式会社LUPRO
  • 代表者:高堀裕太
  • 創業:2025年
  • 事業内容:マーケティング支援(戦略設計から施策実行まで)、企業とマーケターのマッチング事業

編集後記

自信と誠実さのバランスが印象的な取材だった。「聞いてもらえれば誰よりも成果を出せる」と語る一方で、その手前にある営業の壁を率直に認め、仕組みで乗り越えようとする。前職への不義理を避ける筋の通し方や、好きな場所で誠実に働くという価値観にも、人柄がにじむ。帯広という土地から、地域と事業の両方を耕そうとする姿は、これからの働き方の一つのかたちを示しているように感じた。

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