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立地に価値を宿す——デジタルサイネージとAIで挑む、若き経営者の設計図

株式会社NEURA GROUPを率いる代表取締役・安原稜恵氏。学生街を舞台にしたデジタルサイネージ事業を軸に、媒体を「不動産に近いもの」と捉える独自の視点で事業を組み立てている。中国での仕入れの現場に自ら足を運び、AIをいち早く経営に取り込み、地元では学びの場も持つ。まだ若いと語りながら、貪欲に世界とテクノロジーに接続していく——その経営観と、これからの組織づくりへの構想を聞いた。

目次

学生街に的を絞った、サイネージ事業の設計

NEURA GROUPが手がけるデジタルサイネージは、静止した看板ではなく、映像を流し続ける動画媒体だ。「テレビやCMをずっと流しているような感覚」と安原氏は表現する。

事業の起点にあるのは、ターゲットを鮮明に定めるという考え方だ。掲出先を大学周辺の学生街に絞り込み、「学生」という明確な層に向けて広告を届ける。SNSに代表されるように、いまはマーケティングのターゲットを細かく絞れる時代になった。安原氏はその発想をリアルな媒体にも持ち込み、「絞り切る」という判断を下している。

広告の掲出枠にも意図がある。1つの媒体に広告主が増えすぎれば、それぞれの映像が流れる頻度は下がり、価値が薄まる。だからこそ枠数には上限を設け、出稿する企業も質で厳選する。安原氏が名だたる大手企業との取引を重視するのは、収益性だけでなく、会社としての信頼やブランディングまでを含めて事業を設計しているからだ。

「立地がすべて」という媒体観

安原氏がサイネージという媒体を語るとき、繰り返し口にするのが「不動産に近い」という言葉だ。

「歩いている人に対して、どれだけの人の目に映るか。立地の第一印象がすごく大事なんです」。数字はあくまで後からついてくるもので、まず問われるのは、その場所が持つインパクトそのものだという。人通りの多い一等地に、思わず目を引く大きな媒体を掲げられるか——その一点に、媒体の価値の多くが宿ると考えている。

理想とするのは、他社に頼らず自社で運用していく形だ。上場企業が展開する大型サイネージの事例をよく観察し、そこから立地の見極め方を学びながら、自らの事業の輪郭を描いている。安易に規模を追うのではなく、勝負すべき場所を冷静に選び取る姿勢がそこにある。

世界とテクノロジーに開かれた視点

安原氏の視野は、国内にとどまらない。サイネージ本体の仕入れでは、自ら中国の現場へ足を運んだ。「ただ仕入れているだけでも、日本と現地では値段がまるで違う」。教科書の数字ではなく、自分の目で確かめたリアルな相場感を、彼は経営判断の土台にしている。

テクノロジーへの感度も高い。早くからAIを触り始め、いまも日常的に活用する。地元では月に2回、AIについて教える場を持ち、知見を周囲へ還元している。海外のテック企業と言葉を交わす機会もあり、そこで得たものを持ち帰る。「時代に沿ったもので、これから主流になっていく。キャッチアップしておく価値がある」と、その手応えを語る。

学ぶ姿勢と、これからの組織づくり

若くして事業を率いる安原氏だが、その言葉には一貫して謙虚さがにじむ。「まだまだ若いので、学ぶことがどうしても多い」。だからこそ人とのつながりを大切にし、そこから貪欲に吸収しようとする。

経営に対する構えも、勝ち負けだけでは語らない。「お互いに成長して、お互いが強くなれる方が絶対にいい」。助け合える関係のなかにこそ、事業を伸ばす手がかりがあると考えている。

今後、最も力を注ぐのは人の採用と営業組織の拡大だ。母数を増やし、会社としての推進力を高めていく。落ち着いた媒体観と、外へ開かれた学びの姿勢。その両輪で、安原氏の描く設計図は着実に形になろうとしている。

会社概要

  • 会社名:株式会社NEURA GROUP
  • 代表者:代表取締役 安原 稜恵
  • 事業内容:デジタルサイネージの企画・広告枠の提供および本体販売

編集後記

派手な言葉で自社を大きく見せようとする経営者は少なくない。だが安原氏は、媒体を「不動産に近い」と冷静に捉え、勝負すべき場所を見極めることに徹していた。「まだ学ぶことが多い」と率直に語りながら、中国の現場やAI、海外のテック企業へと自ら足を運び、手を伸ばす。その等身大の貪欲さこそが、若き経営者の最大の武器だと感じた取材だった。

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