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「当たり前」を、太く強く長く——マーケと人材でB2Bの悩みに応える

学生時代はサッカーに打ち込み、全国の頂点も経験した齋藤優輝氏。コロナ禍のなかで就職を選ばず独立し、LINE公式アカウントの運用支援から事業を立ち上げた。現在、株式会社FUBARはWebマーケティング支援と人材紹介という二つの柱を持つ。特別なことは何もしていない——そう語る齋藤氏が貫くのは、「当たり前のことをしっかりやる」という姿勢だ。若き経営者の来し方と、これから描く成長曲線を追った。

目次

サッカーで培った負けん気が、独立の原動力に

齋藤氏のルーツにはサッカーがある。高校時代には全国優勝を経験し、同級生からはプロサッカー選手も生まれた。「あいつらに負けたくない」——その思いを胸に大学へ進み、就職活動に力を入れようとした矢先、大学3年生のときに新型コロナウイルスの流行が訪れる。

このタイミングで齋藤氏は独立を決意する。当時はLINE公式アカウントやその運用を支える仕組みが急速に広がっていた時期で、「これを始めれば売上をつくれるらしい」という手応えを頼りに参入した。就職はせず個人事業主として走り出し、その延長線上で法人を設立。営業を重ねては案件を回し、また営業する——そんな日々の積み重ねが、今のFUBARの土台になっている。

LINE公式アカウント200社超の知見が、事業の礎

FUBARの事業は、LINE公式アカウントを中心としたWebマーケティング支援と、人材紹介業の二本柱で構成される。マーケティング支援では累計200社を超えるLINE公式アカウントの運用を手がけてきた。

「一番の強みは、200社のビジネスモデルと200社のマーケティングを見てきたこと」と齋藤氏は語る。数多くの企業の事業構造とマーケティング手法を間近で見てきた蓄積は、一つの事業会社では得がたい財産だ。その後は広告運用やSNS運用へと支援領域を広げ、支援先に人材紹介を必要とする顧客が多かったことから、人材紹介業そのものへと踏み出した。今では両事業が売上のほぼ半分ずつを占め、どちらも主軸と呼べる規模に育っている。

マーケティング支援の顧客には、BtoCで高単価のサービスを扱う企業が多い。オンラインスクールやリスキリング支援、パーソナルジム、クリニックなど、個人が数十万円を投じるかどうかをじっくり検討する領域だ。「そのサービスを知ってから1カ月ほど悩む方がたくさんいる。そこに対してマーケティングをしていくのが僕らの仕事」と齋藤氏は言う。

最大の壁は「お金回り」だった

順調に見える歩みの裏には、創業期ならではの苦労があった。「立ち上げの時期は本当に大変でした。誰からも教わらず、ただ勢いで法人化した」と齋藤氏は振り返る。ある程度の売上はつくれたものの、義務教育では学べなかった経理やキャッシュフローの知識が決定的に足りなかった。

人材が中心のビジネスは原価こそかからないが、人件費の比重が大きい。業務委託やフリーランスのメンバーへの支払いが少しでも遅れれば、信用問題やクレームに直結する。「管理の方法が分からず、どうしたらいいか本当に分からなかった」。1期目の決算では資金が底をつき、父親から資金を借りて何とか締めた——今だから話せる、創業期の生々しい現実だ。

苦労を共にしてきた社員2人は、4年間ずっと一緒に走ってきた同世代の仲間だという。知人の紹介や、昔からの付き合いで結ばれた関係が、会社の芯を支えている。

判断軸は「軸を持たないこと」

日々の意思決定について尋ねると、齋藤氏の答えは意外なものだった。「軸がない、と答えています」。自身をリサーチが得意なタイプだと分析し、こう続ける。「この状況に対して正解を持っている人は、世の中に絶対にいる。だからとにかく先輩に聞いて、正解を教わってそれを進める」。

その背景には、分野ごとに頼れる先輩の存在がある。マーケティングならこの人、営業ならこの人、財務ならこの人——経験豊富な先輩たちに事前に相談することを、齋藤氏は強く意識している。自分一人の勘に頼らず、答えを持つ人に学びに行く。その謙虚さと機動力こそが、若い経営者の武器になっている。

マーケと人材、両輪でBtoBの悩みを解決する

FUBARが目指すのは、マーケティングと人材の両輪でBtoBの課題に応える会社だ。「マーケの悩みも、人の悩みも解決できる会社になりたい」。社内でも、マーケティングと人材の双方に精通するよう人材育成を進めている。事業面ではSESの新会社設立や、人材紹介に付随する派遣、マーケティング支援における広告運用への拡張など、今できることを一段ずつ広げていく構想を描く。

成長を支えるため、採用にも力を入れる。2カ月に1人のペースで新しい仲間を迎えることを目標に掲げ、人材紹介のキャリアアドバイザーや、顧客対応を担うマーケターを募集している。一方で、マーケティング事業の集客は依然として齋藤氏自身のリファラル営業に依存しており、「社長の属人的な営業になっているのが課題」と率直に認める。リード獲得の仕組み化は、これから向き合うべきテーマだ。

齋藤氏が繰り返し口にするのが「太く強く長く」という言葉だ。「僕らがやっているのは、特別なことじゃない。当たり前のことをしっかりやる。それをコンセプトにしている会社です」。マーケティングも顧客対応も営業も、やるべきことを着実にやり切る。「あそこはちゃんとしているよね、と信頼される会社になりたい」。その静かな覚悟が、FUBARの未来を形づくっていく。

会社概要

  • 会社名:株式会社FUBAR
  • 代表者:齋藤優輝
  • 事業内容:LINE公式アカウントを中心としたWebマーケティング支援事業、人材紹介業
  • 従業員数:約15名(正社員4名、ほか業務委託)
  • 主な実績:LINE公式アカウントの運用支援 累計200社超
株式会社FUBAR 代表 齋藤優輝

編集後記

「軸がない」と言い切りながら、頼るべき先輩を分野ごとに持ち、答えを持つ人に学びに行く——その姿勢は、実のところ最も再現性の高い成長の型なのかもしれない。サッカーで鍛えた負けん気と、創業期にお金の壁を乗り越えた実感を土台に、齋藤氏は「当たり前を貫く」ことを掲げる。派手さより信頼を選ぶその経営は、BtoBの現場で静かに、しかし確かに支持を広げていくはずだ。

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