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「思い」で人をつなぎ直す——大畑海太が挑む、ご縁の代理店

「人生の代理店」。そう名づけられたコミュニティを、大畑海太氏はたった一人で立ち上げた。売上や利害ではなく、一人ひとりが胸に抱く「思い」を起点に人と人をつなぐ——前例のないサービスに、独立して間もない経営者が込めた哲学とは。本記事では、6年間の紹介営業で培った経験、価格に込めた意図、そして「本来のご縁のあり方を取り戻したい」という願いまでを聞いた。

目次

20歳から歩んだ、人をつなぐキャリア

大畑氏のキャリアは20歳から始まる。フロンティア株式会社で携帯電話の紹介営業にインターンとして約3年間携わった後、新卒で株式会社ネオキャリアに入社し、求人広告の営業を1年間経験した。

その後リボングループ株式会社へ転職。ここでは人材事業の立ち上げ、人事部長、アライアンス事業部責任者という3つの役割を2年半にわたって担った。事業をゼロから形にする経験と、組織を動かす経験。その両方を積み重ねた先に、独立という選択があった。

独立のきっかけは2つあったという。ひとつは、ちょうど誕生日が近く、年を重ねるタイミングで独立願望が高まっていたこと。もうひとつは、周囲から「早くそのサービスをやってほしい」という期待の声を受けていたことだ。

「思い」を可視化してつなぐ、前例のないコミュニティ

大畑氏が手がける「人生の代理店」は、業種としてはビジネスマッチングコミュニティに分類される。しかし、そのつなぎ方は従来のものとは一線を画す。

「よくあるお仕事としてのつながりではなく、独自に開発した『思い診断』で、その人が持っている思いを可視化しておつなぎするサービスです」

商品を売りたい人、買いたい人——そうしたビジネスありきのマッチングではなく、社会や仕事に対して抱く「思い」の近さで人と人を結ぶ。会員の構成は約6割が経営者、約4割が個人事業主や会社員で、全国各地に広がっている。ターゲットを特定の層に絞らないのも特徴で、思いの近い人同士であれば誰もがつながれる設計だ。

集客はすべて紹介によるもの。広告は一切打たず、サービスに共感した会員からの紹介で輪が広がっている。自身の人脈から始まったつながりが、少しずつ全国へと伸びているのが現状だという。

980円に込めた、二つの意図

会員費は月額980円の固定制(税込)。この価格設定には明確な意図がある。

「価格が高くなると売り合いが始まってしまい、本来の目的とは違うつながりになってしまう。短期的に利益を生むコミュニティではなく、長期的にチームとして仲良くしていただきたい。気軽にお話しできるように、という思いがまず一点です」

もうひとつは、認知拡大の狙いだ。現段階ではまず拡散力を重視し、あえて手に取りやすい価格に設定している。今後は階層を設ける構想もあり、会員の広がりに応じてサービスの形を進化させていく段階にあるという。

前例なきサービスを、仮説と検証で定着させる

独立から日が浅い今、大畑氏が最も苦労したのは「前例のない形のサービスをどう伝えるか」だった。

「前提がない中で、仮説を立てては検証を繰り返して定着させていく。この0→1の、PDCAの部分が一番大変でした」

現在感じている課題は、ユーザーが満足に至るまでの期間の長さだ。思いのつながりは、大畑氏いわく「保険と似ている」。売上や数字に直結するものではなく、人とのつながりの中で時間をかけて実感されるものだからだ。

「人生の代理店でつながった人たちと実際に話して、『いいご縁だったな』と思えるまでには、どうしても時間がかかる。そこをどう仕組みとして早め、多くの方に満足いただき拡散していただくか。紹介営業においては、ここが一つのターニングポイントになると思っています」

なぜ「思い」なのか——6年間の実感と使命感

このサービスに着目した理由も、大畑氏は2つ挙げる。

ひとつは、自身の経験からだ。6年間、紹介業を続けるなかで、今も一緒に仕事をしているような良い出会いは、いずれも「思い」でつながっていた。逆に短期で終わってしまう縁は、フィーの高さなど、お金やサービスでつながっていたものだったという。

「思いでつながれるプラットフォームが、一つくらいあってもいいんじゃないか。そう思って立ち上げました」

もうひとつは使命感だ。思いによる良い出会いに数多く恵まれてきたからこそ、それを後世に伝えていきたい。「誰かがやらないと。ならば自分がやるべきだ」と考えた。

コミュニティという業種は数多いが、「思い」でのつなぎを掲げるサービスは聞いたことがない、と大畑氏は言う。オンリーワンの領域で、いま最初の一歩を踏み出している。

3年で日本一へ、そして階層化する「代理店」構想

今後の展望として、大畑氏はまず「このコミュニティを日本一の会員数にしたい」と語る。

その先に描くのが、階層化の構想だ。誰もが参加できる「人生の代理店」を土台に、審査制の「ハイクラスの代理店」、経営者限定の「経営の代理店」へと、レイヤーを増やしていく。

「ハイクラスの代理店は、実績や事業規模などで審査を設ける想定です。経営の代理店は代表者限定。思いのつなぎをメインにしながら、お互いが出会うことにビジネス上の意味も生まれる。そんな仕組みにしていきたい」

思いを軸に据えながら、つながりの質をさらに高めていく——それが法人化の先に見据える設計図だ。

編集後記

取材を通して感じたのは、大畑氏の「ご縁」への一貫したまなざしだった。「本来ご縁とは、長く付き合う運命的な関係のこと。それがいつの間にか、お金や決裁権が先に来てしまっている」——その違和感を、彼は事業として形にしようとしている。AIやSEOで“よく見せる”のではなく、純粋な思いで人をつなぐ。独立3ヶ月、まだ小さな一歩かもしれない。だがその根にある哲学の確かさは、これからの広がりを予感させるものだった。

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