株式会社営業革命の高嶋邦浩さんは、損害保険会社、訪問医療マッサージ事業を経て、メールによる営業代行という一点に事業を絞り込んだ経営者だ。「営業ができなければ売上は立たず、どんな商売も先へ進まない」——その実感から生まれた事業と、交流会に足を運び続けながら次の柱を模索する姿を追った。
未経験からの再出発
高嶋さんのキャリアは、立教大学卒業後に損害保険会社へ入ることから始まった。その後、訪問医療マッサージ事業の経営を経て、現在の株式会社営業革命を立ち上げている。
特徴的なのは、前職との連続性がほとんどなかったことだ。「損保、訪問マッサージ、営業代行と、それぞれ接点が全くなかったんです」と高嶋さんは振り返る。前職の経験を土台にできない分、立ち上げ当初は商談の約束を取り付けること自体に苦労したという。
その突破口になったのが交流会だった。「約束ができなくても、一度仕事を深掘りしてZoomをやりましょう、という形に持っていく。そこは上手くなりました」。時間と費用をかけて場に出る以上、手ぶらでは帰らないという姿勢が、地道に商談を生んでいった。
「日本全国、一気に」というメール営業代行
事業の核は、メールによる営業代行だ。北海道から沖縄まで、全国の企業の問い合わせフォームへメールを届ける。地域や業種でターゲットを絞り込む同業他社とは、発想が正反対だという。
「絞り込むと送信先が極端に少なくなり、返信も減ってしまう。だから大量に送るんです」。高嶋さんによれば、商材にもよるものの、大量送信を行えばまとまった数の返信が生まれ、それをZoom商談から契約へとつなげていく設計だ。低い送信単価で数を張れることを強みに掲げ、コンサルティング、Web・動画、助成金・補助金の申請支援といった、全国どこでも顧客になり得る業種と特に相性が良いと語る。
「関東限定、関西限定というお客様には向きません。全国にお客さんを広げたい、という方のための業種です」。狙いは明快だ。
お客様第一を、できる範囲で貫く
経営で大切にしているのは「お客様第一」だと高嶋さんは言う。「自分の都合を考えてしまうこともありますが、それはできるだけ排して、お客様に寄り添って対応したい。できていることも、できていないこともありますが」と、飾らない言葉で自らを語る。
一方で、営業を一人で担う現状には限界も感じている。事務は業務委託の力を借りているが、営業の現場はほぼ高嶋さん自身だ。「全部一人でやっていて、これからも交流会に出まくらないといけないとなると、身が持たない」。会社名と事業内容を語り、相手の話を聞き、商談の約束まで取り付けられる——そんな右腕となる人材との出会いを、いま切実に求めている。
柱を増やし、その先へ
今後の展望を尋ねると、まずは売上への意欲が返ってきた。「何としても売上を上げたい。1億、2億と」。
そのうえで、事業の柱を一本に頼らない構えを描く。メール営業代行は好調な時もあれば厳しい時もある。だからこそ人材事業や物販にも手を広げ、「2本、3本、4本と柱を作っていきたい」と語る。名刺の肩書きは「営業革命」一つ。本業を磨きながら、次の芽を育てる——その両立を見据えている。
読者へのメッセージははっきりしている。「集客で困っている方は、一度この高嶋邦浩にご相談ください。絶対に損はさせません」。
編集後記
未経験の分野へ二度飛び込み、そのたびに交流会という泥臭い現場で人と会い続けてきた高嶋さん。「大量に送る」という一見乱暴にも聞こえる手法の裏には、絞り込みでは届かない経営者にこそ営業の機会を、という素朴な思いがあった。一人で走り続ける経営者が、次の柱と共に走る仲間を得たとき、その事業がどう変わるのか。静かな熱を感じる取材だった。
