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大切な人に薦めたい会社を、仕組みでつくる

Syncpiece株式会社は、持株会社であるSYNCGroup株式会社傘下の事業会社だ。SYNCGroupは営業支援を軸にDX、Webクリエイティブ、介護・障害福祉、飲食まで幅広い事業を展開する。代表取締役CEOの諸橋慎太郎氏が掲げるのは「幸せが連鎖する持続可能な未来をつくる」というミッション。成果と社員の幸せを両立させるために、氏がたどり着いた答えは「いい組織は、いい仕組みでつくる」というものだった。多角化する事業を一本の理念で貫く、その経営観に迫る。

目次

「働く人が誇れる会社を」——独立への原点

諸橋氏のキャリアは、営業会社である光通信で始まった。営業の最前線から組織マネジメント、そして事業責任者までを経験する中で、独立を決意する。

「利益を出す会社というよりは、働く人が誇れる会社を自分で作りたいと思ったからですね」

原点にあったのは、数字だけを追う組織への違和感だった。「成果も出るけど、人も幸せになれる組織を実現したい」——その思いが起業の背中を押した。現在は持株会社であるSYNCGroup株式会社のもと、Syncpiece株式会社をはじめとする子会社を連ね、営業、DX、Webクリエイティブ、介護・障害福祉、飲食など複数の事業を束ねている。

VRから営業支援へ——複数事業を貫く一つの目的

創業当初、諸橋氏がメインに据えていたのは3DVRなどのデジタルコンテンツ事業だった。しかし当時、その市場はまだ成熟していなかった。

「7年、8年前とかは、そこまで普及もしてなくて。VRとかは結構苦戦していました」

そんな中、営業畑で育った氏が小さく手がけていた営業代行が、徐々にスケールしていく。今ではグループの売上シェアが最も高いのは営業・営業支援事業だ。この営業・営業支援事業を担うSyncpiece株式会社単体の売上は、前期の約10億円から、今期は17億円を見込む。事業拡大の背景には、人員の増強に加え、SYNCGroupによるM&Aでの事業買収もある。

一見バラバラに見える事業群にも、諸橋氏の中では一本の筋が通っている。

「全て、企業とか地域の課題を解決するという共通目的があります。単に商品やサービスを販売する会社というよりも、どうすれば相手が良くなるかという視点から課題を整理して、本質的な改善策を提案する。営業会社ですけど、売ることがゴールというよりも、成果が出ることをゴールにしています」

「いい組織は、いい仕組みでつくる」

事業と人が増えるにつれ、諸橋氏は最大の壁にぶつかった。創業時の価値観が、自然には伝わらなくなっていったのだ。

「以前は、頑張れば伝わると考えていたんです。でも実際には、評価基準とか役割とかも言語化しなければ、人によって解釈が変わってしまう」

この経験から得た学びが、氏の経営観の核になっている。

「いい組織は、いい人で作るというよりも、いい仕組みで作るものだなと」

現在は評価制度、基準点、役割定義といった仕組みの整備を自社で進め、組織全体の再現性を高めている。自社開発のマネジメントシステムを活用し、評価制度からKPIの手法、人材育成までを一元管理する体制も構築中だ。個人の能力に依存するのではなく、誰が責任者になっても成果を再現できる組織——それが競合との差別化にもつながっている。

一方で、事業拡大への意欲は旺盛だ。「自分がイケイケドンドンで投資しちゃうんで、総務とか財務に止められています」と笑う。だが権限委譲を徹底しているからこそ、自らはあえて踏み込まない。「そこで自分が入ってしまうと、権限を持っている部下がその責任を果たせなくなってしまうので」。

行動と因果——経営を支える価値観

諸橋氏が大切にしているのは「言葉ではなく、行動で示す」という姿勢だ。その根底には、趣味で学ぶ仏教の思想がある。

「学ぶ中で、因果という考え方を経営に取り入れるようにしています。結果には必ず原因がある。うまくいったことも、失敗したことにも原因がある。だから基本、誰かを責めるのではなく、原因を見つけて改善し続ける。これが経営でも人生でも最も重要だと考えています」

もう一つの軸が「自らを律する」こと。「自分自身が社員に求めることは、まず自分が実践する。その姿勢だけは、創業以来変わっていません」。歴史や哲学の学びを日々の判断に落とし込む姿勢は、創業から今日まで一貫している。

幸せが連鎖する企業グループへ

SYNCGroupが掲げるミッションは「幸せが連鎖する持続可能な未来をつくる」。そしてビジョンは「大切な人に薦めたい会社を作る」ことだ。

「社員が家族や友人に胸を張って薦められる会社でなければ、本当にいい会社とは言えないと思っています」

3〜5年後にはSYNCGroup全体で売上50億〜100億円という目標を掲げる。だが諸橋氏にとって、数字はゴールそのものではない。

「最終的に実現したいのは、幸せが連鎖する企業グループ。社員が幸せになれば、その家族も幸せになるし、取引先も地域も良くなる。その連鎖が社会全体に広がっていく。そのために営業、DX、福祉など様々な事業を通して、社会課題を解決していきたい」

売上や利益だけでは続かない、と諸橋氏は言う。「人も仕組みも理念も、全てが揃って初めて持続可能な成長が実現する。自分自身まだ道の途中ですが、これからも挑戦を続けて、社員や家族に誇れる会社を作っていきたい。一社でも多く、大切な人に薦めたい会社が増える社会を目指しています」。

会社概要

  • 会社名:Syncpiece株式会社
  • 代表者:代表取締役 CEO 諸橋 慎太郎
  • 事業内容:営業・営業支援事業
  • 所属グループ:SYNCGroup(グループ各社において、DX、Webクリエイティブ、介護・障害福祉、飲食などの事業を展開)

編集後記

「陰キャの集まりなんです」と照れながら語る諸橋氏だが、その言葉の奥には確かな哲学があった。仏教の因果を経営に、行動で示すリーダーシップを日常に。成果を追いながらも人の幸せを手放さないという、一見矛盾しかねない二つを「仕組み」で結び直そうとする姿勢が印象的だった。急拡大する組織の中で理念をどう伝え続けるか——その問いに正面から向き合う経営者の、静かな熱量が伝わる取材だった。

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