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仲間の笑顔から始まる——SNSとブライダルで独自の道を切り拓く

株式会社プラコレ代表取締役社長・武藤功樹氏は、結婚式への愛着を出発点に、ブライダルとSNSマーケティングという二つの軸で事業を育ててきた。総フォロワー数255万を抱えるSNSの発信力と、ウェディングドレスを眺めながら過ごせるリアルなカフェ。そのどちらも自社で持つ稀有な立ち位置から、どんな経営を描いているのか。人柄と哲学に迫った。

目次

結婚式への愛から始まった起業

武藤氏は岐阜県の出身。大学卒業後は名古屋の大手IT企業に入り、役員や子会社の社長を務めた。その後29歳で上京し、2年間の準備期間を経て31歳で起業。会社は現在、創業11年目を迎えている。

起業の原点にあったのは、結婚式への思いだった。自身も結婚式を挙げた経験から、ブライダルという世界に惹かれていったという。そして業界を見渡すうちに、ある構造的な課題に気づく。

「ブライダル業界って、プロデュースするプレイヤーはたくさんいるのに、メディアはほぼ一社の独占状態だったんです。そうなると、みんながそこに広告費を払わなきゃいけなくなって、費用がどんどん高騰していく。すごく苦しいという声を聞きました」

他の業界であれば複数のメディアが競い合う。ブライダルだけがそうなっていない——そこにビジネスチャンスを見出し、起業を決意した。

SNSとリアル店舗で築く独自の立ち位置

現在の事業は、ブライダル関連事業とSNSマーケティング事業の二つが大きな柱だ。ブライダルではメディアやカフェを、ウェディングドレスを軸に多方面へ展開している。

最大の強みはSNSの発信力にある。自社メディアの総フォロワー数は255万。この規模を背景に、多くの企業からSNSの運用を任されるようになった。ブライダルメディアもまた、SNSで集めた認知を入り口にユーザーを集客している。

「基本は20代の女性向けです。ウェディングドレスを軸にしたSNSなので、20代女子の認知度がすごく高い。その方たちが、結婚式を挙げるタイミングでうちのメディアを使ってくれるんです」

もう一つの強みが、リアルな場を持っていることだ。大阪・名古屋・鎌倉にカフェを構え、ウェディングドレスを眺めながらお茶ができる体験の場を提供している。

「競合サービスの多くは、テレビCMや交通広告に大きなお金をかけて認知を取っています。でも私たちは、SNSとカフェで、逆にお金をいただきながら認知を広げている。認知を得るコストが低いので、その分クライアントさんにも安くユーザーをお届けできるんです」

実際に自社で顧客と接する現場を持つマーケティング会社は珍しい、と武藤氏は語る。お客様の気持ちを肌で理解しながら提案できることが、大きな差別化になっている。

コロナ禍を逆手に取った挑戦

代表として最も苦しかった時期を尋ねると、迷わずコロナ禍を挙げた。

「ブライダルというサービスを利用する人が、もう誰もいなくなってしまった。社員の大半が業界に未来を見いだせずに辞めていって、運営は本当に大変でした」

それでも武藤氏は、その状況を逆手に取る。フォロワーの多さを活かし、ウェディングドレスを無料でプレゼントする企画などを打ち出し、業界を盛り上げようと動いた。ちょうどその頃、TikTokやリールといった縦型動画が広がり始めていた。そこにいち早く取り組んだことで、フォロワーも登録者数も一気に伸び、認知が大きく広がっていった。

「苦しい時期でしたけど、そこで集中と選択をして、ドレスというコンテンツをどうビジネスモデルに変えていくかに挑戦した。それが今につながっていると思います」

TikTokでの求人にも早くから取り組み、テレビの取材を受けるなど、SNSを軸にした採用手法でも先駆けとなった。

仲間を大切にする——経営に貫く信念

経営で最も大切にしているのは、従業員の満足度だという。

「従業員を笑顔にできなければ、お客様を笑顔にすることもできない。その信念のもとで、仲間を大切にする文化をつくっています」

無理な要望を受けたときも、一人で抱え込むのではなくチームで解決する。その体制が整っているからこそ、クライアントへのパフォーマンスも丁寧に返せると武藤氏は考えている。

一緒に働きたい人物像も、この文化と重なる。

「自分一人の自己満足よりも、誰かを幸せにすることで自分の幸せがある。そう理解できている人が、うちの文化にはマッチすると思います」

現在は組織を拡大するフェーズにある。正社員は40名ほど。カフェのスタッフや業務委託を含めれば100名を超えるが、まずは正社員だけで50名の壁を越えることを当面の目標に掲げている。

目指すのは日本有数の広告代理店

今後の展望について、武藤氏は明確な事業計画を語る。売上を数年のうちに大きく伸ばし、その先にはIPOや株式公開も見据えているという。

成長のカギはやはりSNSだ。フォロワー数をさらに増やし、カフェの店舗も東京などに増やしていきたいと話す。

「SNSマーケティングは、もっと大化けする可能性があると思っています。今はブライダルを主軸にしていますが、美容や飲食など、他の業界のマーケティングもできる体制を整えていきたい」

自社で大量のフォロワーを抱えながらクライアントワークも手がける会社は多くない。動画制作のチームも厚い。その強みを武器に、日本でも指折りの広告代理店になることを目指している。

会社概要

  • 会社名:株式会社プラコレ
  • 代表者:武藤功樹
  • 事業内容:ブライダル関連事業、SNSマーケティング事業
  • SNS総フォロワー数:約255万人
  • 店舗:ブライダルカフェ(大阪・名古屋・鎌倉)

編集後記

取材を通して印象的だったのは、「従業員を笑顔にできなければお客様も笑顔にできない」という言葉に貫かれた一貫性だった。結婚式への愛着という個人的な原点から出発し、業界の構造的課題にビジネスチャンスを見出し、コロナ禍という逆境を挑戦の契機に変えてきた武藤氏。数字を追いながらも、その根には常に「人」を置く姿勢がある。SNSとリアルを結ぶ独自のモデルが、この先どこまで広がっていくのか。静かな熱を帯びた語り口に、確かな手応えを感じた。

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