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課題から逆算するブランディング支援——「コミットできる仕事」だけを引き受ける経営者

ウェブマーケティングの世界で、経営者自身の魅力を「武器」に変えるブランディング支援に力を注ぐのが、株式会社resolvesの代表取締役・笹島拓也氏だ。会社員として動画制作の現場を歩み、YouTube発信の経験を積んだうえで独立。動画ありきの提案ではなく、企業の課題から逆算して最適な打ち手を選び取るスタイルを貫く。本記事では、笹島氏の歩みと経営観、そしてこれから見据える展望を伺った。

目次

会社員10年からの独立

笹島氏は東京で生まれ、2歳のときに富山県へ移り住んだ。地元と呼べるのは富山だ。

学校を卒業してからの約10年間は会社員として過ごし、その間に4回の転職を重ねた。働きながらYouTubeやブログでの発信を続け、自ら動画編集ができるようになったことから制作会社へ入社。そこで営業とディレクションを経験する。

やがて「30歳までに独立したい」という思いが芽生え、29歳のときに勢いで独立に踏み切った。その後は個人としてフリーランスの活動を3年間続け、ウェブ系人材に向けたオンラインサロンの運営にも取り組んできた。

課題から逆算するウェブマーケティング支援

現在の主な事業は、ウェブマーケティングの支援だ。なかでも力を入れているのが、経営者自身のブランディングである。YouTubeやInstagram、公式LINE、さらには書籍の出版まで、幅広い発信をサポートする。

「マーケティングを活用したブランディングの支援」と笹島氏は事業を言い表す。顧客には建設・建築・製造業が多い。会社員時代に経験した職種でもあり、業界用語にも通じているため、その領域の支援を得意としている。

強みは大きく二つある。ひとつは、経営者に「属人性」を持たせる発信づくり。自らYouTubeで発信してきた経験があるからこそ、「この経営者ならこういう企画がいい」「この方向性なら認知を作りやすい」という勘所がわかる。

もうひとつは、手段ありきにならない提案姿勢だ。「動画制作の会社だと、つい『動画を作りませんか』という営業をしがちなんです。でも、それが本当にその会社にとってやった方がいい施策かというと、違う場合も結構ある」。YouTubeなのか、SNSなのか、公式LINEやホームページ、あるいはネット広告なのか——企業の課題に沿って優先順位を見極め、そこを提案することが他社との違いだと語る。

マネジメントで痛感した「見られ方」の変化

代表になって一番大変だったのは、マネジメントだったと振り返る。

「自分では、社長だからという気持ちは特にないんです。ただ、周りからの見られ方や接し方が変わる」。個人で複数人と動いていた頃とは違い、社内からは「こうしてほしい」という期待が自分に向くようになった。これまで通りに接すると、人によっては強制されているように感じてしまうこともある。「話しかけにくくなった」と言われたこともあった。

「自分は全く変わった気がないのに、と思いました。でも立場によって、言い方や接し方、接触頻度といった全般的なマネジメントをちゃんと変えていかないといけないんだと痛感しました」。

その経験から得た学びが、「会話のゴールを決めること」だ。議論やミーティングの際に、何を決める場なのかをあらかじめ定めておけば、お互いにズレにくくなる。

もうひとつが「事実と解釈」の切り分けである。「事実は一つですが、人によって解釈は違う。ここがズレているとミスが起こりやすいんです。お互いに悪気はなくて、ただ解釈が違うだけ。だから事実ベースで、確認しながら一個一個話を進めていくことを心がけるようになりました」。

「コミットできる仕事」だけを引き受ける

経営で大切にしているのは、お客様に対して正直であることだ。

「やらしく聞こえるかもしれませんが、コミットできない金額で受けるのは、結局お互い損だと思っているんです」。値段を下げて中途半端になるくらいなら、受けない方がよかったということになりかねない。だからこそ、「この施策ならこの金額がかかります」と正直に伝える。値下げや成果報酬を求められても、「コミットできないと成果も出ない」と考え、できないことはできないと率直に示す。

もう一つ大事にしているのが、顧客の良さを引き出すことだ。「自分たちの良さや強みって、意外と気づいていなかったりするんです。『なんでこんなことが』というところが、実はすごいアピールポイントになる。その企業や経営者の方の良さをちゃんと引き出してあげることは意識しています」。

ともに夢へ挑戦できる仲間と

現在、業務委託として稼働するメンバーは5人から10人ほど。その多くは、笹島氏自身が運営するオンラインサロンからの採用だ。もともと知り合いで、互いをよく知った状態での参加のため、方向性が大きくズレることはないという。来年には正社員の雇用も見据えている。

一緒に働きたいのは、「挑戦していこう」という人だ。「個人としての目標や夢と、会社としてのそれは違います。会社の夢や目標を叶えていく中で、その人自身の夢にも挑戦していける。そういう人と働きたい」。その夢は、たとえば家族の幸せのために仕事を頑張る、というものでも構わないと笹島氏は言う。

IPOを見据え、基盤を固める

今後、笹島氏が見据えるのは上場——IPOだ。

そのために、事業内容のブラッシュアップを進めると同時に、会社としての基盤も固めていく必要があると考えている。「上場を目指すなら、会社のルールや文化を、人数が少ない状態からしっかり作っていかなければならない」。ウェブマーケティングの支援を続けながら、別の事業も伸ばしていく構想を描く。

最後に、経営者の読者へ向けたメッセージを尋ねた。「採用にとってもすごい武器になるのに、それを活かせていない企業や経営者の方が多いんです。そういうときは一度僕と話してみてほしい。客観的な目線で『あなたの強みはこういうところ』『このバックボーンを発信すれば認知を作りやすい』と、参考になるきっかけは作れると思います」。

会社概要

  • 会社名:株式会社resolves
  • 代表者:笹島拓也
  • 事業内容:ウェブマーケティング支援、経営者のブランディング支援(YouTube・Instagram・公式LINE・書籍出版等のサポート)

編集後記

「手段ありき」で提案するのではなく、顧客の課題から逆算して最適な打ち手を選ぶ——笹島氏の姿勢の根底には、コミットできる仕事だけを誠実に引き受けるという一貫した哲学がある。自らの発信経験を土台に、経営者の眠った強みを掘り起こす。マネジメントの壁を「事実と解釈」の切り分けで乗り越えた思考の柔らかさも印象的で、IPOという目標へ着実に基盤を積み上げていく姿に、静かな推進力を感じた。

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