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迷える挑戦者が「何者か」になれる場所──加納悠音が描く、成長の土台

岐阜県出身の加納悠音氏が代表を務める株式会社SWALLOWは、営業代行を軸に若者の育成・成長支援を事業の本質に据える会社だ。学生時代の組織崩壊、居酒屋全焼という苦難を経て再起した加納代表が目指すのは、「何者でもない挑戦者が何者かになれる場所」の創出。営業というツールを通じて若者の可能性を引き出すその哲学と歩みを追った。


目次

岐阜から東京へ──経営者を志した20歳の決断

岐阜県の県立岐阜商業高校を卒業した加納氏は、高校3年生のころから「経営者になりたい」という目標を持っていた。「父の背中を見て、という感じだと思います」と振り返る。その目標に向けてまず選んだのは東京に出ること。推薦入学で最も早く合格した駒澤大学に進み、上京を果たした。

大学入学後に取り組んだのは主に二つのことだ。一つは「人に会いまくる」こと。ただしこれは後に「失敗だったな」と自己評価する。「学生で何も結果を出していないと、会える人はたかが知れている。怪しい人が多かったし、情報商材を100万円ほど買って失敗もしました」。

もう一つが、父親のアドバイスをもとに始めた長期インターンだ。これが今の事業への直接の入り口となった。

飛行機で金沢へ──営業で結果を出した学生時代

長期インターンでの成績は際立っていた。大手家電量販店でWi-Fiの訪問営業を行い、社員や大人を含めて半年でトップを取った。「土日だけで40〜50万円、夏休みは100万円近く稼いでいましたね」。

特に印象的なのが、営業エリアを石川県・金沢まで広げ、東京から飛行機で通っていたエピソードだ。「飛行機で金沢に出張して、めちゃくちゃ稼いでました。誰にも負けない自負はありましたね。新幹線じゃなく、飛行機です」。

その実力が認められて独立のチャンスが訪れ、大学2年生のときに起業した。

組織崩壊、全焼、500万の負債──挫折が教えてくれたこと

しかし独立後の道は平坦ではなかった。地元の友人5人を誘い、銀行員や公務員を辞めてもらってチームを組んだが、「プレイヤーとしては結果を出せたが、マネージャーとしては動けなかった」。半年で組織は崩壊した。

さらに同時期に経営していた居酒屋(駒澤大学近くに出店)が全焼するという災難も重なった。「ヤフーニュースやLINEニュースにも載ったんですよ」と苦笑する。100万円ほどあった資産が約500万円の負債に転じたのは、大学3年生、21〜22歳のころだった。

「あの時はきつかったですね、さすがに」。それでも1〜2週間で立ち直った。再起の鍵となったのは、「最初の3〜4人の仲間をきちんと固め直すこと」と「経営を体系的に学び直すこと」。本格的な再スタートを切ったのは約1年前のことだという。

「営業代行じゃない」──若者が育つ場所を作る

現在の株式会社SWALLOWは、営業代行を軸に据えながら、その本質は教育・育成事業だと加納代表は言う。

「お問い合わせいただいた方には、うちは営業代行なんですけど、営業代行じゃないですという話をしています。何者かになりたいけど、何をすればいいかわからないという子が何者かになれる場所を作るために、営業というツールを使っている、という形です」

事業は東京と長野県の2拠点で展開している。東京では学生インターンに特化して20〜30人、長野県ではフルタイムで働ける社会人10人ほどが在籍する。メンバーの平均年齢は22〜23歳。「将来社長になりたい、稼ぎたい、普通のレールは嫌だ、人生を変えたい、という若い子が多いですね」。

選ばれる理由として加納代表が挙げるのは三つだ。高い基準値を持つ仲間との「環境」、半年で月50万円稼げる「再現性(達成率約95%)」、そして「圧倒的な成長速度」。

成長については独自の三段階モデルを持つ。「プレイヤー(一人でどれだけ稼げるか)、マネージャー(人を扱えるか)、事業家(事業規模が見えるか)という三つの段階があると思っていて、普通の会社なら35〜40歳でたどり着くところを、うちは25歳までにやらせます。これを3〜5年で全員に経験させる」。

「やる理由」を持て──組織と仕事への向き合い方

組織づくりで最も大切にしているのは「やる理由」だと語る。

「なぜ営業をするのか、全員が答えられる状態にしています。やる理由がないなら辞めてしまえとも言っています」

対外的には、誠実さと恩を忘れないことを軸に置く。加えて意識するのがブランディングだ。「加納悠音と言えば、若い迷っている子がいたらこの人に繋げておけば大丈夫、という認知を作っています。わかりやすいレッテルを自分に貼るようにしている」。そうすることで紹介が生まれ、事業も広がっていくと実感している。

学校とスクールの間に──挑戦者のファーストステップへ

3〜5年後の展望として、加納代表は売上面とビジョン面の両面から語ってくれた。

売上目標は「3〜5年で5〜10億円」。ただし加納代表が真に重きを置くのはビジョンの実現だ。

「何者でもない挑戦者が何者かになれる場所を作る。これが僕の作りたい世界観です」

想定するのは、情報商材・オンラインスクール・ビジネス系の学校といった既存の選択肢とは異なる「学校とスクールの間の概念」。働きながら3〜5年で成長できる環境を提供する。

「学生の頃に夢だったものが、社会に出たら夢じゃなくなるという現象がある。そういう人を救いたいんです。お金をもらいながら成長できたら、最高じゃないですか」

さらに3年後を目処に人材紹介事業(仮称:「ネームド」)の立ち上げも構想中だ。SWALLOWを卒業したメンバーを対象に、実績を引き提げて年収1000万円前後からスタートできる就職先を紹介するというもの。「うちを卒業しているというブランドで、最初から高いポジションを与えられるような人材紹介をしたい」。


会社概要

  • 会社名:株式会社SWALLOW
  • 代表者:加納悠音(かのうゆうと)
  • 事業内容:営業代行・若者向け育成・成長支援事業
  • 創業:要確認(大学2年生時に起業、約1年前に現事業を本格再スタート)
  • 拠点:東京都・長野県
  • スタッフ数:東京インターン20〜30名、長野県10名程度(取材時点)

編集後記

加納代表の言葉の端々に、「何者かになりたかったのに諦めてしまった人」への悔しさが滲んでいた。組織崩壊も居酒屋全焼も、そのすべてが今の事業設計の礎になっている。「営業の会社じゃない」という一言の重さを、取材を終えてからも何度か反芻した。夢を持て余したままの若者に、確かな出口を示そうとしている人がここにいる。

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