株式会社ナレッジマーケティングは、Web集客の「入り口」が移り変わる時代のなかで、常に半歩先を走り続けるマーケティング会社だ。GoogleマップのMEO対策から始まり、いまはAI検索で選ばれるための最適化へ。事業の姿を時代とともに変え続ける代表・栗野氏は、在宅で働くママたちとともに、挑戦を止めない組織づくりに向き合っている。本記事では、変化を恐れない経営哲学と、その根っこにある「優しい会社でありたい」という願いに迫る。
MEOからAI検索へ、変わり続ける事業の形
ナレッジマーケティングの出発点は、Googleマップ上での集客を支援するMEO対策だった。そこから栗野氏は早い段階で、検索の主戦場が移り変わることを見据えていた。
「AIで検索される時代になっていくよね、というのはもう結構初めから言い始めていて、それをサービスにしてやっています」と栗野氏は語る。いまや検索結果の上部にはAIによる要約が表示され、ユーザーはAIを通じて情報にたどり着く。その流れに合わせ、同社はAI検索でヒットするための最適化を主力サービスへと育ててきた。
そのアプローチは、SNSひとつに絞るような単発の施策ではない。「Googleマップも重要だし、ホームページも、SNSで言及されていることも重要。網羅的にサポートしていくと、AI検索にもヒットしていく」。入り口が増え続けるWebマーケティングのなかでAI検索という一点を強みに、多面的な支援を組み立てているのが同社の特徴だ。
顧客層の広がりが映す、時代の変化
支援先の顔ぶれも、事業の変化とともに移り変わってきた。MEO対策が中心だった頃は、飲食・美容・クリニックといった、地域のなかで集客したい事業者が主な顧客だった。
いまはその構成が大きく変わっている。「半分ぐらいは地域で集客したい人たち、3分の1ぐらいはメディアを持っているところ」と栗野氏。求人サイトやWebメディア、検索サイトなど、特定の拠点を持たないサイト系の顧客が着実に増えているという。扱う領域が広がるほど、網羅的に支援できる同社の強みが生きてくる。
ゼロから組織をつくる、終わりのない挑戦
順調に事業が伸びる一方で、栗野氏が「今でも悩んでいる」と率直に明かすのが組織づくりだ。もともと個人で働いていた栗野氏にとって、人を雇い、組織を一からつくることは初めての経験だった。
「急に件数もバーッと伸びて、人もたくさん雇わせていただいて。その組織づくりをゼロイチでやらなきゃいけないのが大変でした」。しかも同社で働くのは、多くが在宅のママさんワーカーだ。子どもがいない時間に働きたい人、子どものそばで働きたい人——それぞれの事情や思いと、会社として目指したい方向のあいだに、どう歩みを重ねてもらうか。物理的な距離があるぶん、信頼関係を築く難しさもある。
「一緒の環境で働いていれば、どんなことをしているか見えるじゃないですか。でも在宅だと、それが全く見えない」。だからこそ栗野氏は、働きやすさにこだわる。「ナレッジマーケティングが働きやすい、働いていて楽しいと思ってもらえたら、一番嬉しい」。自身も妊娠中に起業し、いままた新しい命を宿しながら経営に向き合う。「そういう状態でも元気よく働いていきたいというのが、私のモットー。一緒に挑戦し続けられる環境にしていけたら」。その言葉には、同じ立場のママたちへのまなざしがにじむ。
現場でメンバーと向き合うのは、栗野氏とマネージャーの少人数体制。夫が率いるホールディングスのアドバイスを受けながら、日々の運営に踏ん張っている。
「挑戦」というキーワードでつながる仲間
経営で大切にしている考え方を尋ねると、栗野氏は迷わず「新しいものでも怖がらずに、どんどん挑戦していくこと」と答えた。
「マーケティングはすごいスピードで進んでいく。時代の変化についていくのは、経営していくうえですごく重要視していること」。その姿勢は日々の道具選びにも表れる。ChatGPT、Gemini、Claudeといった最先端のAIを会社で導入し、スタッフにも積極的に使い慣れてもらう環境を整えている。情報収集の早い夫が新しいトレンドを取り込み、栗野氏たちが形にしていく——そんな循環が同社を前へと押し出す。
だからこそ、一緒に働きたいのも「挑戦したいという人」だ。「今までのフローじゃないと嫌、という感じじゃなくて、新しいものを取り込みながら、やってみようという人。2ヶ月先に何をやっているか分からないみたいなことも全然あるので、それを楽しめる人」。変化そのものを面白がり、「こういうのあるんだ、やってみたらこうなるよね」と探求できる仲間を、栗野氏は求めている。
人にしかできないことに、もっと集中できる会社へ
組織として次に強化したいのは、AI化と作業の自動化だ。ねらいは効率化そのものではなく、その先にある。
「人としてしかやれないことは人でやっていく。頭を使ってお客さんとコミュニケーションを取る、人の温度があるところは、完全に人でやっていきたい」。いまはまだ、自動化できる作業に多くの時間が割かれている。そこを効率化し、クリエイティブな仕事にリソースを注げるようにする——それが栗野氏がいま最重要で動いているテーマだ。
笑顔を増やす、社会に優しい会社へ
3年後、5年後の会社の姿を問うと、栗野氏はまず「いてくれているメンバーが働きやすいと思ってもらえること」を挙げた。そしてその先に、創業から変わらない軸がある。
「ママとか子どもたちに優しい会社にしていきたい。笑顔が増えることを積極的にやれる会社に」。ただし、それは理想論ではない。「そのためにはお金を生んでいかないと、社会貢献はできない」と栗野氏は現実を見据える。まずはいまの業界を知り尽くし、やり尽くす。その積み重ねの先に、社会に貢献できる会社への成長を描いている。
最後に、記事を読む経営者へのメッセージを求めると、栗野氏はこう結んだ。「事業をやっている方々の挑戦を応援する会社として成長していきたい。自信を持って提供できる技術も持っています。AI検索やWebまわりのことでご相談があれば、ぜひ」。
会社概要
- 会社名:株式会社ナレッジマーケティング
- 代表者:栗野
- 事業内容:Webマーケティング支援(AI検索最適化、MEO対策など、複数チャネルを横断した集客支援)
編集後記
時代が変わればサービスも変える——その軽やかさの裏に、在宅で働くママたちへの深い責任感があった。「まだ負担をかけている」と悩みを隠さない栗野氏の言葉には、飾らない誠実さがある。挑戦を楽しみながら、笑顔を増やす会社をつくる。個人の願いと事業の成長を地続きに語れる経営者の姿は、これからの働き方を考える多くの人の背中を押すはずだ。
