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「受け入れの箱」であり続ける——ハンディを越えて価値を生む仕組みをつくる

株式会社フィオリエラは、Web集客と生成AIを二本柱に、中小企業から上場企業、大学、スポーツチームまで幅広い顧客の成長を支える会社だ。代表取締役CEOの柴田颯真氏は、学生時代に起業の世界へ飛び込み、不動産・物流・Web集客と事業を渡り歩いた末に自らの会社を立ち上げた。その根底には「広くハンディキャップのある人の雇用を創出したい」という一貫した思いがある。本記事では、柴田氏の歩みと、事業に込めた哲学、そして目指す未来を追う。

目次

「社長に話を聞こう」から始まったキャリア

柴田氏のキャリアは、一般的な就職とはまるで違う道を辿っている。在学中から起業を志し、大学に通いながら「起業するなら社長に話を聞こう」と、片っ端から企業の問い合わせフォームへ連絡を入れた。

「どこどこ大学の誰々です、お宅の社長に会わせてくださいと。だいぶ変わった人だなということで、意外といろんな会社の代表が会ってくださって、30人くらいの方とお話をしていました」

その縁から、同世代の起業家と会社を始め、並行して太陽光発電会社の新規事業にも参画。不動産(空き家の売買)や物流業界向けのWeb事業に携わっていく。コロナ禍にはオンライン授業を助手席のパソコンで受けながら、スーツを着て遠方の地権者のもとへ足を運ぶ日々を送った。

やがて、足で稼ぐ営業の限界を感じた柴田氏は、Web集客への一本化を決断する。「1件5万円で獲得できていた。ただ、このIT時代においてどうなんだろうと思って」——SEOやWeb広告による集客事業へと舵を切った。

売却、そして自らの会社へ

2020年から2023年までWeb集客事業に注力し、事業は軌道に乗る。2023年、柴田氏は事業そのものを他社へ譲渡し、その売却益を元手に独立。同年8月、株式会社フィオリエラを設立した。

社名のフィオリエラはイタリア語で「プランター」を意味する。ここには柴田氏の思想が凝縮されている。

「現代は、やろうと思えば何でもできる時代です。何か自分の目的や目標を種にたとえたとき、土壌をちゃんと作って外を支えるのがプランターの役割。どのプランターを選んでもいいけれど、少なくとも『これがいいな』と思ってもらえる存在に、会社はなりたいんです」

集客とAI、二つの事業で顧客の成長を支える

フィオリエラの事業は大きく二つ。一つはWeb集客で、費用をかけないSEOと、かけるWeb広告の両面から支援する。広告サービス「グローバルアド」は、大手代理店で海外広告に携わったメンバーのノウハウを活かし、国内外の媒体に対応する。

特徴は、その始めやすさと続けやすさにある。手数料は運用額の10%、1ヶ月更新が可能で、1万円からでも運用できる。初期費用も開発費用もない。「誰でも分かりやすく、継続的な運用というのをモットーにしています」と柴田氏は語る。

もう一つの柱がAI事業だ。AI活用の「第一相談所」を担うメディア「比べるAI」を運営するほか、生成AIチャットボットのメーカー事業を展開する。このチャットボットは、Webサイト・LINE・InstagramのDM・WeChat・カカオトーク・Slack・チャットワークと、一つの契約で幅広く連携できる。

「単純な業務効率化だけではなく、事業成長のためのデータが取れる。誰がどういう順で何を解決しようとしているか——そのデータを取る側になりたいと思って作りました」

顧客は中小企業を中心に、上場企業やNPO、クリニック、大学、Jリーグ・Bリーグのチーム、寺院まで多種多様だ。

苦労の本質は「役割と責任」を伝えること

代表として何が一番大変だったか。柴田氏はしばらく考え込み、組織づくりの難しさを挙げた。彼が好んで使うのは、ピラミッドではなくスポーツチームのたとえだ。

「4番が一人だけ『俺にいっぱい給料をよこせ』となったら、チームとして成り立たない。ピッチャーがいて、キャッチャーがいて、それぞれに役割と責任がある。その役割と責任をしっかり伝えること、そして本人が理解して全うしようとすること——これが案外、難しいんです」

もう一つはコミュニケーションだ。年齢的に自分より先輩にあたるメンバーと関わる中で、事実と感情のすれ違いが生まれる場面もある。若くしてチームを率いる立場だからこその葛藤が、そこにはにじむ。

大切にするのは「相手都合」

経営で大切にしている考え方を問うと、柴田氏は迷いなく「相手都合」と答えた。

「お客様にとってそれはどうなのか。自分のために、ではなく、相手にとってどうなのか。それが全てな気がしています」

この価値観は、社員に求める三つのバリューにも表れている。「相手都合であること」「仕組み思考であること」「正しい努力をコツコツ積み重ねること」——柴田氏自身が体現しようとする指針でもある。

身近な社会から愛される会社へ

今後、採用も進めていく方針だ。中長期のビジョンとして柴田氏が掲げるのは、「身近な社会から愛される会社、選ばれる組織になる」こと。

読者へのメッセージを求めると、自身の実体験に裏打ちされた強みを語った。

「実際にお金を払って広告会社に任せたり、お金をかけない集客を提供したり——地で経験してきたことが多い。その経験からチャットボットを作っているので、業務効率化だけでなく、事業の成長に生きるデータを取れる。集客とその先の成長、どちらもお話しできるのがうちの強みです」

会社概要

  • 会社名:株式会社フィオリエラ
  • 代表者:代表取締役 CEO 柴田 颯真
  • 事業内容:Web集客支援(SEO・Web広告「グローバルアド」)、生成AI事業(AIメディア「比べるAI」運営、生成AIチャットボットの開発・提供)
  • 創業:2023年8月

編集後記

学生時代に問い合わせフォームから30人の社長へ会いに行った——その行動力の原点には、福島で感じた「格差」への違和感があった。場所や境遇によって機会が閉ざされることへの疑問が、「広くハンディキャップのある人の雇用を創出する」という人生の目的へとつながっている。フィオリエラ=プランターという社名が示すように、柴田氏が作ろうとしているのは、多様な人が仕組みを通じて社会に価値を届けられる「箱」なのだと感じた取材だった。

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