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「一家に一人、健康を守るコーチを」――ライフスタイル医学を日本に根づかせる代表理事の挑戦

一般社団法人ライフスタイル医学コーチング協会・代表理事の舘敬悦氏。青森で生まれ、働きながら学び、国際教育の世界からパーソナルトレーニング、そして予防医学へと歩みを進めてきた。たどり着いたのは「病気を治す」より「病気にならない」を支える生き方だ。一人で協会を立ち上げた舘氏に、ライフスタイル医学コーチという新しい資格に込めた思いと、これからの展望を聞いた。

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貧しさの中から、学びで世界へ

舘氏のキャリアは、勉強と英語を独学で身につけた少年時代から始まる。「貧乏な家でしたから」と振り返るが、その環境が学びへの意欲を育てた。中学では野球、高校ではハンドボール部のゴールキーパーとして汗を流した。

18歳で上京し、働きながら通信教育で大学に学び、26歳で卒業。29歳でイギリスの大学院へ留学し、修了した。20歳のころからは一貫して国際教育に関わる仕事を続けてきた。若くして海を渡り、教育の現場に身を置いてきた経歴が、後の活動の土台になっている。

予防医学との出会い、そして独立

転機はコロナ禍だった。長く勤めた職を離れて独立し、自らの会社を設立。パーソナルトレーニングのジムを経営しながら、国際教育のコンサルティングも続けた。

2023年、舘氏はハーバード大学医学部の栄養学に関する講座をオンラインで履修する。「内容がとても良かった。これを日本に広めたい」――その確信が、次の一歩を決めた。ライフスタイル医学は、病気になってから治療するのではなく、病気にならないように生活そのものを整えていくという、比較的新しい医学の分野だ。

「アメリカは肥満大国で医療費が莫大にかかる。だから予防へのシフトが急速に進んでいる」と舘氏は語る。日本食は本来体に良く、肥満は少なかったが、いまは成人男性の4割が肥満だという。コロナ禍でも、重症化したのは慢性疾患を抱える人が多かった。「もともとの基礎疾患を予防することが、とても大事なんです」。

健康を支える「6つの柱」

ライフスタイル医学が重視するのは、食事だけではない。運動、栄養、睡眠、ポジティブな人間関係、ストレスへの対応力、そしてお酒やタバコといった有害物質を遠ざけること。これらを一つひとつ見直していくことが、慢性疾患の予防や改善につながるという。

舘氏が目指すのは、この知識をただ持つだけでなく「人に伝えられる人」を育てることだ。「日本は長寿国ですが、亡くなるまでに寝たきりで過ごす期間が長い。人工呼吸器をつければ長生きはできる。でも、そうではなく、健やかに長く生きることを支えたい」。

そのために生まれたのが「ライフスタイル医学コーチ」という資格である。舘氏はこれを商標登録し、日本の民間資格として初めて立ち上げた。「知識を持って、その人の生活改善を伴走できるコーチを育てたい」。

一人から始める、仲間づくり

2025年、舘氏は一般社団法人ライフスタイル医学コーチング協会を設立した。現在の運営は舘氏一人。コーチングもパーソナルトレーニングもフルリモートでこなす日々だ。自らも添加物を避け、運動を欠かさず、健康な生活を実践している。

課題は、いかに仲間を増やし、この知識を広げていくかにある。「なるべく広告は打たずに広めたい」と舘氏は言う。親和性が高いのは、パーソナルトレーナーやヨガのインストラクター、学校の先生、そして看護師などの医療従事者だ。「医療従事者の方は、治療の知識や技術はあっても、改善予防の知識は意外と知らない。だからこそ学んでほしい」。

フォローアップの授業をライブで行うか録画にするか、家族との時間とどう両立するか。舘氏は理想と現実のあいだで悩みながら、より良いかたちを模索している。

一家に一人、健康を守る人を

舘氏には壮大なビジネス計画があるわけではない。46歳で結婚し、いまは幼い3人の子どもを育てる父親でもある。「子どもたちが健やかに成長してくれれば」――それが何よりの願いだと語る。

その願いは、事業のビジョンとも重なっている。「ライフスタイル医学コーチが、一家に一人いる時代が来てほしい」。母親であれば子どもや夫の健康を、子や孫の世代へと受け継がれていく健康を守れる。添加物に頼らずおいしい料理を工夫し、お米を糖質として避けるのではなく上手に取り入れる――そうした暮らしの知恵が、家族の未来をつくると信じている。

コーチングのスキルは、健康の分野にとどまらないと舘氏は言う。「相手に共感し、抱えている問題を理解し、一緒に改善を考える。これは営業でも就職の面接でも同じ、伝える力・伝わる力です」。ストレスへの対応力も養えるこの学びは、働くすべての人の力になる。同じ思いを持って走ってくれる仲間を、舘氏はこれから一人ずつ増やしていく。

会社概要

  • 法人名:一般社団法人ライフスタイル医学コーチング協会
  • 代表者:代表理事 舘 敬悦
  • 事業内容:ライフスタイル医学コーチの育成・資格認定、予防医学に基づく健康コーチング、パーソナルトレーニング、国際教育コンサルティング
  • 設立:2025年

編集後記

華やかな学歴と多彩な経歴を持ちながら、舘氏の語り口はどこまでも穏やかで、地に足がついていた。自ら健康を実践し、幼い子どもたちの成長を何よりの夢と語る姿に、この人が広めようとしている「健やかに生きる」という価値の本質を見た気がした。予防医学という大きなテーマを、一家に一人という身近な願いに落とし込む視点にこそ、この活動の温かさと強さがある。

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