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AIを武器に、人を育てる——「何でも相談できる」Webマーケティングの伴走者

目次

リード文

株式会社デジタルトレンズは、各種広告運用からSEO対策、SNS運用、サイト制作までを一気通貫で手がけるWebマーケティング支援企業だ。代表の姫野慎太郎氏は、学生時代から描いた起業への道を計画通りに歩み、紹介と自社マーケティングの両輪で事業を拡大してきた。本記事では、幅広い領域に対応できる人材の育て方、文化を重んじる採用、そして「日本で一番AIを活用する会社」を掲げる今後の展望に迫る。

学生時代から描いた起業への道

姫野氏のキャリアは2009年、あるベンチャー企業への入社から始まる。SEO対策やメディア運営、広告運用といった業務に携わりながら、日本と海外の拠点を兼務する形で経験を積んだ。

もともと起業を志して就職活動をしていたという。新卒で入社した会社の社長の姿が、その原点にある。

「新卒入社した会社にはインターン時代から働いており、社長がしっかり働かれていて、とはいいながら、すごく楽しそうに充実してそうな部分を見ていました。将来的に起業したいという思いもあったことから、そのまま新卒として入社したんです」

そして2012年、想定していた通りのタイミングで独立し、デジタルトレンズを立ち上げた。学生時代に思い描いたスケジュール通りのスタートだった。

紹介から自社マーケティングへ——集客基盤の確立

起業当初は苦労もあった。海外拠点での勤務が長く、営業基盤が東京に厚くあったわけではない。仕事の獲得は主に紹介に頼らざるを得ず、出だしはその点で難しさを感じたという。

その状況を変えたのが、自社によるWebマーケティングだ。SEOやリスティング広告を自ら手がける企業として、その実力を自社の集客に還元してきた。

「『リスティング 東京』と調べると、うちの会社は上位に出るんです。そういう自社のマーケティングでも集客をさせていただいています」

創業以来、変化し続けるSEOの潮流に合わせて着実に上位表示を実現し、近年ではAI時代を見据えたAIO・LLMO対策にも取り組んでいる。

「何でも相談屋」を生む、人材育成へのこだわり

デジタルトレンズのクライアントは業種を問わず幅広い。上場企業から街の歯科医院まで、特定の得意・不得意を設けず、まんべんなく支援できることが強みだ。業種ごとに効果的な打ち手を体系化している点も、その対応力を支えている。

差別化が難しいとされるWeb業界にあって、姫野氏が最もこだわるのは人の育て方だ。一人の担当者に複数の領域を兼務させ、広く知識を身につけさせる。

「リスティングやメタ広告、TikTok、そこから派生したPinterest広告、さらにSEO対策やSNS運用、サイト制作まで、網羅的に知識を持つように育てています」

背景には、明確な考えがある。クライアントがリスティング広告を求めても、それが最適解とは限らない。SNSとの連携やページ改修まで含めた幅広い視点が求められる。だからこそ、一人の担当者が対応できる領域の幅が武器になる。

「幅広い知識が求められるので、一人の担当が持つ対応領域の広さは、一つの強みだと思っています」

文化で選び、文化で育つ組織

採用で重視するのも「文化」だ。将来求めるもの、働き方、人生観——そうした価値観の近さにこだわる。

その姿勢は選考プロセスにも表れている。中途採用では、勤務地が大阪でも福岡でも、最終面接の後に自社の社員を交えて自らが食事に行く。

「会社のいいところも、いろいろなことをやれるがゆえの大変さも、ちゃんとお伝えして、お互い合意の上で採用させていただいています。ミスマッチが少ないことは、一つの強みでもあります」

その結果集まるのは、向上心の高いメンバーたちだ。社内はイベントを好む雰囲気に満ちており、社員旅行には全員が当たり前のように参加する。お酒が飲めなくても楽しめる場があり、そこに一体感が育まれている。

AIで一人あたりの価値を高める

組織が大きくなるにつれ、新たな課題も見えてきた。約50名の規模になり、創業者個人の力に依存した戦い方から脱却する必要がある。紹介に頼らない受注の仕組みや、教育を含めた仕組み化が求められている。

「規模が大きくなったことで、僕の思いが末端まで届いていなかったり、といったことも出てきます。コミュニケーションの取り方を含めて、もっと仕上げていかないといけない」

その上で姫野氏が掲げるのは、人数の拡大ではなく一人あたりの価値の向上だ。目指すのは「日本で一番AIを活用するマーケティング会社」である。

すでに同社は、SEO・AIO・LLMO対策ツールや広告レポーティングツールを自社開発し、各広告媒体のAPIと接続することで、データの分析基盤を自前で整えている。担当者レベルの細かなカスタマイズにも対応できる環境が、業務のスピードと精度を支える。

そして姫野氏は、AI時代における人間の役割をこう見据える。

「AIはどんどん作業をなくしていく。その中で人間ができることは、AIの提案を深掘りしたり、軌道修正したり、取捨選択するスキルだと思っています」

広告データにとどまらず、アクセス解析など多様なデータを俯瞰する視野を持つ人材を育てる。その頭脳面での強さを、これからの勝ち筋にしていく考えだ。

会社概要

  • 会社名:株式会社デジタルトレンズ
  • 代表者:姫野慎太郎
  • 創業:2012年
  • 事業内容:Webマーケティング支援(リスティング・SNS等の広告運用、SEO対策、AIO・LLMO対策、SNS運用(Tiktok、Instagram、X、Youtube等)、サイト制作、自社マーケティングツールの開発)
  • 社員数:約50名

編集後記

学生時代に描いた青写真を、計画通りに形にしてきた姫野氏。その語り口は終始穏やかで、決して自らを大きく見せようとしない。だが「何でも相談屋」を育てる仕組みへのこだわりや、AI時代に人間が磨くべきスキルへの洞察には、静かな確信がにじんでいた。作業がAIに置き換わっていく時代に、人の判断力をどう高めるか。その問いに正面から向き合う姿勢が、印象に残る取材だった。

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