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「すごい会議」で、経営のど真ん中に伴走する

株式会社ピグマは、代表・太田智文氏が率いる、マネジメントコーチング「すごい会議」を専業とするコンサルティング会社だ。経営の一番中心にある会議そのものに入り込み、会話と意思決定の質を変えることで企業の成長を支える。病からの再起を機に起業した太田氏が、24期にわたって貫いてきた「正直さ」という判断軸と、地域の中核企業に伴走し続ける姿勢を聞いた。

目次

病からの再起、そして起業

太田氏のキャリアは、大学卒業後に入社したベネッセで始まる。6年間勤め、新規事業に携わった。現在の事業とはまったく異なる領域だったという。

転機は26歳のときに訪れる。脳の病を患ったのだ。幸いにも回復し、その経験が太田氏を突き動かした。「もう一度何かを成し遂げる。この仕事を通じて何かを成し遂げるにはどうするか」——そう考えたとき、たどり着いた答えが起業だった。28歳で株式会社ピグマを立ち上げ、以来24期目を迎えている。

創業当初は、自社オリジナルの人材関連サービスを扱っていた。「サービスもお金もなかった」時期であり、独自の商材をゼロから立ち上げる苦労は大きかったと振り返る。

「すごい会議」という事業

現在、ピグマが一本化して手がけるのが「すごい会議」だ。もともとアメリカで生まれ、体系化されたマネジメント手法である。日本に持ち込んだ先駆者から太田氏は直接指導とノウハウを受け、ライセンス契約を結んで事業を展開している。

同様のライセンスを持つ会社は国内に20社弱あるという。そのなかでピグマが独自の立ち位置を築けている理由を、太田氏は二つ挙げる。ひとつは、20数年にわたり自ら会社経営を続けてきた経営者としての実感。もうひとつは、創業以来「人に関するビジネス」を手がけてきた背景だ。

「外から人を採用するだけじゃなくて、中にいる人や物やお金、これらをいかに機能させるかを提供している」。人材の視点を土台に持つからこそ、組織を動かすコンサルティングに厚みが出る。

会議に入り、決定の質を変える

「すごい会議」の特徴は、企業の外から助言するのではなく、経営の中枢に直接入り込む点にある。ベンチャーや中小企業なら経営会議、多店舗展開の企業ならエリアマネジメントの会議——その会社の「一番ど真ん中の会議」に入り、太田氏自身が司会を務める。

「会議で起きる会話の質を変えたり、問題解決の質を変えたりすることで、決定事項の質を上げたり、PDCAのサイクルを早く回す」。会議そのものを変えることが、そのまま経営を変える支援になる。

伴走期間は一時的なものではない。1年の会社もあれば、13年、14年と続く会社もある。「会社が目指すところがある限り、我々はずっと伴走していく」というのが基本姿勢だ。現在は太田氏が案件の8割を担い、大手を中心に10社ほどを毎月支援する。残る2割を他のコーチが受け持つ。支援は対面が中心で、全国各地への出張が毎月続く。新規の顧客は、そのほとんどが紹介によるものだという。

大切にしているのは「正直さ」

日々迫られる選択のなかで、太田氏が明確な判断軸として挙げるのが「正直さ」だ。

「本当のことを言う。言ったことをやる。相手に対しても、言ったことをやることを期待してサポートする」。逆に、言ったことをやらない人とは関わらない。約束を尊重する立場を取れる人とだけ仕事をし、自らもその立場を貫く。シンプルだが、揺るがない基準である。

コーチを育て、次の体制へ

いま太田氏が最も力を注ぐのが、業務委託コーチの採用だ。求める素養は多岐にわたる一方で、経験はいっさい問わない。必要な力は研修を通じて身につけてもらう方針だ。

見据えるのは3〜5年後の姿である。売上10億円、100社のクライアントを支援する体制、そして太田氏自身を含めて10人のコーチ陣。現在の専属コーチは数名だが、これを10人規模へと育てていく構想だ。太田氏自身も、しばらくは数を絞りながら現場に立ち続けるという。新規事業の構想がないわけではないが、「今はさっき申し上げた数字を実現するのに全力」と、当面の目標に集中する姿勢を明確にする。

地域の中核企業とともに

業界内でのポジションを、太田氏はあまり意識していないと言う。それよりも強く抱くのは、地域への思いだ。

「それぞれの地域に、ちゃんと中核となる企業がある。その中核企業が成長発展するところに、我々も貢献して関わっていきたい」。都心の企業も大切にしつつ、地方のオーナー系企業、各地域で影響力を持つ会社にこそ深く入り込んでいきたい。それによって地域そのものがより発展していく——そこに貢献することを、ピグマは目指している。

会社概要

  • 会社名:株式会社ピグマ
  • 代表者:太田智文
  • 事業内容:マネジメントコーチング「すごい会議」の提供によるコンサルティング事業
  • 体制:社内スタッフを置かず、業務委託のコーチによる運営
株式会社ピグマ 代表 太田智文

編集後記

病からの再起を起点に、24年間ひとつの手法と向き合い続けてきた太田氏。その言葉に誇張はなく、「正直さ」という価値観がそのまま経営の輪郭になっているように感じた。会議という経営の核心に自ら入り込み、地方企業の成長を通じて地域の発展まで見据える姿勢は、コンサルティングの枠を超えた社会的な意義を帯びている。数字を語りながらも、その先に「人」と「地域」を置く——太田氏の視線の先にあるものが印象に残る取材だった。

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