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「できない」を「できる」に変える——四つの事業を人とのご縁で束ねる経営者

株式会社サテライトメディアは、電子部品の商社機能を軸に、ポスティング、芸能人・タレントのキャスティング、電気料金削減の代理店という四つの事業を展開する会社だ。代表を務める蓬田利久氏は、秋葉原の電子部品商社での長い営業・管理職経験を土台に、独立してからの歩みを重ねてきた。売り込むのではなく相手に寄り添い、他社では得られなかった答えを返す——その姿勢がどのように事業を形づくってきたのか。四つの柱と、その根底にある価値観を聞いた。

目次

秋葉原で培ったキャリアから、独立へ

蓬田氏のキャリアは、秋葉原の電子部品商社から始まった。営業職から管理職までを長く務め、電子部品の世界を肌で知り尽くしてきた。その後はホスティング会社での勤務を経て、独立に踏み出す。

現在の会社は、まず個人事業として立ち上げ、のちに法人化した。運営は蓬田氏を中心に、家族が役員として支える少人数の体制だ。長年培った商流と人脈を土台に、電子部品を軸としながら事業の幅を広げてきた。

四つの柱で応える事業構成

サテライトメディアの事業は四つの柱で成り立っている。

一つ目は電子部品の商社機能。コネクタをはじめ、さまざまな部品を国内外から探し出し、メーカーや代理店に納める。長年の取引で築いた既存顧客とのつながりが、この事業の基盤となっている。

二つ目はポスティング事業だ。ここには他社にはない強みがある。通常は投函できない高級マンションやタワーマンションへの投函を、管理組合との契約に基づいて実現している。エリアごとに投函日が定められ、たまったチラシをまとめて袋に入れ、宛名を付けて届けるという丁寧な手法をとる。新聞折込をはじめとする各種紙媒体の広告にも対応し、チラシがなくてもデザインから印刷まで手がけられる。

「通常のポスティングだけではなく、高級マンションや有料マンションに投函できるというのを売り出しています」

三つ目はキャスティング事業。タレント、マジシャン、パフォーマー、演奏家、アーティスト、ものまねまで、オールジャンルで手配する。企業のイベントから結婚式まで、内容と予算に合わせて人選を提案する。事務所を通す一般的な依頼よりも、個人的な付き合いを生かすことで、質の高い出演者をより手が届きやすい価格で紹介できるのが持ち味だ。

四つ目は電気料金削減の代理店。高圧・低圧のいずれにも対応し、家庭用も含めて料金の見直しを提案している。

「どうにかなってしまう」を支える人の縁

事業の歩みを振り返って、蓬田氏の口から出てくるのは苦労話よりも周囲への感謝だった。

「困った時に何かあれば、周りが助けてくれる。それでここまで来た感じですね」

とはいえ、事業環境の波が経営に響いた時期もあった。電子部品はコロナ禍で需要が急伸したものの、その反動で市場に在庫が余り、しばらく動きの鈍い状況が続いた。四つの柱の中でも中心となる事業だけに、その影響は小さくなかった。資金繰りに頭を悩ませながら、複数の事業を回すことで乗り越えてきた。

新規の顧客は、電子部品では長年の取引先が中心。ポスティングやキャスティングは口コミや経営者交流会での紹介から広がっていく。売り込みではなく、紹介が次の仕事を連れてくる循環がここにある。

直感と、寄り添う姿勢

蓬田氏が選ばれる理由は、その仕事のスタイルにある。

「こっちから売り込むというよりも、相手が何を必要としているのかを聞き出して提案する。相手に寄り添いながら仕事をしている部分が多いですね」

他社で断られた案件が、蓬田氏のもとで実現することは少なくない。タワーマンションへの投函を望む顧客が、知人の紹介でたどり着き、契約先のリストを確認しながら実現に向けて動く——そうした一つひとつの積み重ねが信頼を生んでいる。

判断の軸は、意外なほどシンプルだ。

「わりと直感で仕事をする部分が多いですね。堅苦しく仕事をしたくない。その時の流れで決めることも多くて、気づけば周りにはいい人しか残っていないんです」

経営者として、心配しすぎて足を止めるよりも、流れとスピード感を大切にする。その姿勢が、人とのご縁を引き寄せてきた。

これからの展望——プラスアルファへ

電子部品事業については、市場の低迷は落ち着きに向かうとの見方もある。震災や工場の稼働停止といった不測の事態が起きると、かえって半導体まわりの引き合いが増えるのがこの業界の特徴だ。そうした局面で素早く動けることが、サテライトメディアの役割になっている。

組織については、蓬田氏も広げていきたい思いを持つ。

「自分一人で終わらせたくない。電子部品の需要がまた戻ってくれば、そこから人を増やして大きくしていきたい」

さらに、既存の四事業に加えて新しい取り組みも視野に入れている。AIをはじめとする新しい分野か、あるいは別の業界か——まだ定まってはいないが、現状にプラスアルファを重ねていく構えだ。

目指すのは、他社にはできない小回りの利く存在であり続けること。

「A社に頼んでも回答が得られなかったことに、私に頼んだら答えが出せる。他がやっていない取引先を海外も含めて広げて、他社が得られなかった情報を提供できる存在になれればと思っています」

会社概要

  • 会社名:株式会社サテライトメディア
  • 代表者:蓬田 利久
  • 設立:2020年に個人事業として開始、2022年9月に法人設立
  • 事業内容:電子部品の商社/ポスティング事業/芸能人・タレント等のキャスティング/電気料金削減の代理店

編集後記

四つの事業を語る蓬田氏の言葉に一貫していたのは、「他ができないことをやる」という姿勢だった。売り込むのではなく寄り添い、断られた依頼を実現に導く小回りの良さは、長年のキャリアと人とのご縁の上に成り立っている。直感を信じ、流れを大切にする経営は、変化の速い時代にあってむしろしなやかだ。次の一手を模索する姿からは、現状にとどまらない好奇心が伝わってきた。

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