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「何を売るか」より「誰と続けるか」——サブスク型Webスクールで長い縁を育てる経営

株式会社Campusは、代表・梅谷豊巨氏が率いるサブスクリプション型のWebスクールを運営している。スクールはすでに7期目を迎え、6年以上通い続ける受講生も少なくない。「一時的に儲かればいい」という発想と一線を画し、長く続く関係を前提に事業を設計する梅谷氏。その根底にある哲学と、コミュニティとしてのスクール運営、そしてこれからの展望を聞いた。

目次

長く続く縁を前提にした「サブスク型」の事業設計

梅谷氏が事業で最も大切にしているのは、長期的なご縁だ。運営するWebスクールは7期目を数え、長い受講生では6年以上、生活の一部のように通い続けている人もいる。

その姿勢は、料金の取り方にも表れている。高額の費用を一括で請求し、数回のやり取りで関係が終わる——梅谷氏は、そうしたビジネスのあり方に疑問を抱いてきた。

「『大事にします』と言いながら、高額で請求して1、2回でさよなら、というのは本当に大事にしていると言えるのか。言っていることとやっていることが矛盾していると思うんです」

だからこそ、Campusはサブスクリプションを選ぶ。入会後にしっかりサポートしなければ受講生は離れていく。長く使ってもらって初めて成り立つ仕組みだからこそ、支援を続ける動機が構造に組み込まれている。「続けてもらえる自信がある。その自信がなければ、この形はできません」と梅谷氏は語る。

先生と生徒ではなく、先輩と後輩

Campusのスクールは、いわゆる「先生と生徒」の関係ではない。梅谷氏が意識しているのは、先輩と後輩のような距離感だ。

「専門的な分野なので、未経験から始める人にはハードルがあります。そこで専門用語ばかりで話したり、『自分で調べてください』と突き放してしまうと、独学と変わらなくなってしまう。だから『何でも聞いていいよ』という関係にしておくんです」

オフラインのイベントや飲み会も開き、上下のピラミッドではなくコミュニティとして運営する。メンバーの間に堅苦しい敬語はなく、むしろ年下のメンバーに梅谷氏のほうが敬語を使うこともあるという。部活動のような感覚だ。

ただし、ゆるいだけではない。「みんな人生を変えたくて来ているので、教えるべきことはちゃんと教えます」。人間味のある関係性の上に、確かな学びを乗せている。

価格を変えない覚悟と、集客という課題

組織づくりのなかで、梅谷氏が最大の課題として挙げるのが集客だ。広告費は年々高騰し、AIによって誰もがLPを作れるようになったことで、出稿は増え、獲得コストはさらに上がっている。

物価が上がれば料金を上げるのが自然な流れだが、Campusの受講料は他社の3分の1ほど。その水準を維持したまま、料金は据え置いている。

「正直、成り立たせるのが難しい金額です。それでもこの価格を守るなら、広告に依存しない集客が必要になる」

その答えが、大切にしてきた「ご縁」だ。受講生から受講生へとつながっていく紹介の輪を、あらためて増やしていきたいと梅谷氏は考えている。

「誰と仕事をするか」——人脈で成り立つ経営

読者である経営者へのメッセージを尋ねると、梅谷氏の答えは自社サービスの売り込みではなかった。

「多くの方は営業で自社サービスを売ると思うんです。でも私はそこをあまり大事にしていない。目の前のお客さんの課題が自分のサービスで解決できるなら提案しますが、そうでなければ、つながりのあるプロフェッショナルを紹介します」

仲のいい経営者を数多く持ち、「梅谷さんに聞けば誰かにつないでもらえる」と頼られる存在でいたい。制作の仕事も手がけているが、自ら「やりませんか」と営業をかけたことはないという。

「何の仕事をするかではなく、誰と、どんなスタンスで、どんなつながりで仕事をするか。それさえあれば、変なものでなければどんな事業でも成り立つと思っています」

これからの展望

直近の目標は明確だ。現在およそ250人が通うスクールを、1年以内に500人へ——文字どおり倍増させる。当面はこのWebスクールを主軸に、さらに広めていく方針だ。

その先には、法人向けの広がりも見据える。スクールという性質上、企業で働く従業員のスキルアップという需要は大きい。まだ積極的に展開しているわけではないが、研修や人材育成のご縁も少しずつ育てているという。

多様な事業に携わりながらも、梅谷氏の軸はぶれない。長く続く関係と、人と人とのつながり。そこにこそ、Campusの経営の核がある。

会社概要

  • 会社名:株式会社Campus
  • 代表者:梅谷豊巨
  • 事業内容:サブスクリプション型Webスクールの運営

編集後記

「大事にする」と言いながら高額を一括請求する——その矛盾を正面から問い、あえて他社の3分の1の価格でサブスクを続ける梅谷氏の姿勢には、言葉と行動を一致させようとする誠実さがにじむ。先生と生徒ではなく先輩と後輩、売り込みより紹介。効率や利益率だけでは測れない「縁」を経営の中心に据える姿は、人とのつながりが事業の土台になることを静かに教えてくれる。

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