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「大切な人に誇れる仕事を」──物流ラストワンマイル×M&Aで業界の未来を切り拓く

神奈川・藤沢出身の玉谷代表は21歳での学生起業を経てSEO支援から物流へと大きく転換し、株式会社ユアルートを率いる。小規模配送事業者をM&Aで束ねてバリューアップし、ドライバーの経済的豊かさを実現するという独自モデルを描く。創業以来一度もぶらしていない「大切な人に誇れる仕事」という軸が、組織と事業の両面を静かに貫いている。


目次

体育会系学生から21歳の起業へ──「とにかくやってみたい」という衝動

玉谷代表は神奈川県藤沢の出身。学生時代は体育会系として過ごしたが、21歳のときに株式会社ユアルートを創業した。「割と勢いとノリ」という本人の言葉通り、特定の事業への強い確信があっての起業ではなく、まず飛び込んでみたというスタートだった。

創業当初はSEO支援を手がけていたが、最初のクライアントが物流会社だったことが転機となる。支援を続ける中で「物流が好きだ」という思いが確信に変わり、IT・SEO事業を売却。現在の「物流会社を連続的にM&Aで取得していく」モデルへと経営の軸を移した。

「あらゆる項目での平均点の高さ」──管理体制への徹底したこだわり

競合他社との違いを問われた玉谷代表は「どこか一点だけ突出していてもダメな業界・事業だと思っている」と言い切る。品質管理、ドライバー管理、自社運営、トラブル対応まで、全項目での平均点の高さが選ばれる理由だと断言する。

「我々以上に管理体制がしっかりしている会社はないと思っている」。この言葉は自負というより、属人的な運営に依存しがちな業界全体の実態への問題意識から来ている。M&Aで統合した事業者をいかに標準化・底上げするかが、このビジネスモデルの核心といえる。

創業期の泥臭さ──配車業務の電話かけに明け暮れた日々

創業初期、まだユアルートが形になる前、玉谷代表は最初のクライアントの物流会社でフリーランス的に業務を請け負っていた。最も苦労したのが配車業務だった。

「ドライバーさんって全然(つかまらない)のに、(依頼の)アンケートはめちゃめちゃあるので、とにかくいろんな会社さんに電話しまくって」と当時を振り返る。現在もドライバー獲得は事業の最重要課題の一つであり続けている。需要は増え続ける一方、ドライバー人口の増加ペースが追いついていないという構造的な問題が背景にある。

「大切な人に誇れる仕事」──組織づくりの根幹

玉谷代表が創業以来一貫して大切にしているのは「大切な人に誇れる仕事をすること」という一文だ。事業内容は大きく変わっても、この軸だけは「全くぶらしていない」という。

社員の長期定着に向けても、経済的な待遇、仕事への誇り、共に働く仲間の質という三つの要素を意識的に整備している。「ユアルートで働き続けていただける理由を常に作れるよう努力している」。採用においては「ビジョンや事業展開に共感してくれる方」「仲間のために頑張れる方」を求めており、本社は横浜に置く。

ラストワンマイルNo.1へ、そしてブルーカラー×フィンテックへ

中長期の目標は明確だ。まずはラストワンマイル配送の領域でナンバーワンプレイヤーになること。その先に描くのはドライバーの経済的豊かさの実現だ。

「ドライバーさんが報われる世界を作っていかないと、この業界に未来はない」と玉谷代表は語る。物流費はコストと見なされがちで単価が上がりにくい構造的問題がある中、ドライバーの与信が低いために住宅審査や融資審査に通らないという現実がある。

これを解決するために準備しているのが「ブルーカラー×フィンテック」の領域だ。ドライバーの信用を可視化・向上させ、金融サービスへのアクセスを広げるソリューションを現在開発中という。「本当に網羅的にドライバーさんの生活を豊かにしていくことに向き合っていきたい」──その言葉には、日本の産業インフラを底支えする人々への、経営者としての責任感がにじむ。


会社概要

  • 会社名:株式会社ユアルート
  • 代表者:玉谷風輝
  • 事業内容:ラストワンマイル配送事業、配送事業者のM&Aによる事業集約・バリューアップ、物流経営者向けコミュニティ運営
  • 創業:代表が21歳時
  • 所在地:横浜市
  • 従業員:社員約30名、ドライバー・協力会社等含め約300名体制


編集後記

「勢いとノリ」で起業し、物流という地味に見えて社会の根幹を支える産業に全力を注ぐ玉谷代表。ドライバーの与信課題にフィンテックで挑もうとする姿勢は、単なる事業拡大ではなく、業界構造そのものを変えようとする意志の表れだ。若さゆえの直線的な熱量が、誠実に積み上げられた管理体制と同居しているところに人柄を感じた。

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