株式会社L・コネクトの岩佐やすか代表は、13年の会社員経験を経て独立し、コンサルティングと企業顧問を軸に多彩な事業を手がける経営者だ。ビジネスインフルエンサーの事業の裏方から障がい福祉、スポンサー事業まで、その領域は驚くほど幅広い。「挑戦する大人が増えたら、世の中はもっと面白くなる」——そんな理念を掲げる岩佐代表に、これまでの歩みと、これから描く未来を聞いた。
「稼ぎたい」から始まった、挑戦の原点
北海道に生まれ、埼玉で育った岩佐代表。会社員としてのキャリアは13年に及ぶ。最初の5年は不動産業界、その後は上場企業のコンサルティング会社に移り、管理職まで務め上げた。
原動力にあったのは、「稼ぎたい」というまっすぐな欲だった。「幼少期が結構きつかったので、その反動でしたね」と振り返る。25歳頃までその想いは強く、不動産の仕事をしながら、副業でWeb制作の会社を立ち上げてもいた。ホームページやFacebookが世に出始めたばかりの時期。まだ簡単にサイトを作れる時代ではなく、デザイン設計からWeb構築まで手がけ、紹介で売上を立てていったという。
「もともとITやWebが好きで。これを使ってどうしたら売上が上がるかな、と考えるのが楽しかったんです」。事業をつくることは、若い頃から岩佐代表の中に自然と根づいていた発想だった。
「遊び」から本業へ、コンサルティング会社の誕生
L・コネクトの原型は、上場企業に勤めていた時代に副業として始まった。当初はタレントや芸能人を企業イベントにアサインするような、いわば「遊び」の延長だった。
転機は、会社を辞める決断をしたとき。長く携わってきたコンサルティングの知見を活かそうと、事業を一から再構築し、コンサルティング会社として本格的に走り出した。「高卒だからこそ、会社に属していないからこそできることがもっとあるんじゃないか、と思ったんです」。当時のクライアントたちの後押しも、独立を決める大きな支えになった。
コンサルから福祉まで、多岐にわたる事業
現在の事業は実に多彩だ。ベースにあるのはコンサルティング事業と企業顧問。マーケティング支援やプロジェクトの実行支援まで、深く踏み込んで伴走する。
特徴的なのが、ビジネスインフルエンサーの「裏側」を支える仕事だ。170万人の登録者を持つ税理士YouTuberが立ち上げたレーシング事業では、運営を丸ごと引き受ける。著名な経営者の広報マネージャーを裏方として務めることもある。「表で明るく活躍する人たちの、事業の裏側を支えるイメージですね」。
いま最も力を入れて伸ばしたいのが、障がい福祉の事業だ。「じゆうの輪」を通じて、地域に根ざした福祉サービスの提供と事業所の立ち上げ・運営支援に取り組み、全国へその取り組みを広げている。「行動量は、ぶっち抜けて多いと思います」。その言葉に、事業を広げ続けてきた原動力がにじむ。
クライアント以上に、覚悟と責任を
苦労がなかったわけではない。業態を変えて社員を迎え入れた時期には、キャッシュと組織運営の両面で難しさを味わった。「人を入れたことで、社内がバタバタした時期がありました。この7年で一番きつかったのはそこかもしれません」。
それでも大きく落ち込むことはなかったという。「幼少期の経験がひどすぎたので、多少のことは『しょうがない』で済んでしまうんです」。
顧客と向き合ううえで岩佐代表が掲げるのは、「クライアント以上に覚悟と責任を持つ」という姿勢だ。「お預かりしている事業なので、マイナスでは返したくない。良くなるように毎日動く」。さらに徹底するのが、経営者の思考の“解像度合わせ”。「この社長ならこう考える、というレベルまで社内で落とし込む。まるでナンバー2のように」。ズレをなくし、クライアントにストレスをかけない——その追求が、任される理由になっている。
「できない」「無理」は禁句。挑戦を支える組織文化
社内で大切にしているのは、風通しの良さだ。「思ったことはすぐ言う。溜めない。バチバチする時もありますが、それが企業文化なので」。そして、「ありがとう」と「ごめんね」を徹底的に口にする。
一方で、社員の間には自然と“禁句”が生まれているという。社長の前で「できない」「無理」と言ってはいけない、という暗黙のルールだ。「いつの間にか浸透していたみたいで。何かあればその場で言って、すぐ改善する。PDCAはその場で回すスタンスです」。
組織づくりでは数値化にもこだわる。定期的にサーベイを実施し、理念の浸透度やカルチャーフィット、会社の方向性への納得感までをグラフ化する。「数字が好きなんです。指標がないと改善のしようがない。数値化した方が、みんなも安心できますから」。
一緒に働きたいのは、レスポンスが早く、面白いことを追求できる人。「カルチャーフィットが一番重要。時間イコール命だと思っているので、そこに時間を費やせる人と働きたいですね」。
事業を育て、次の世代へ渡していく
かつては「40歳で引退する」と公言していた岩佐代表。いまは考えを少し変え、L・コネクトを事業継承していきたいと描く。「意志を継いでくれる人がいれば、次の世代に渡したい。43歳くらいまでにできたらいいなと」。
事業の方針は明快だ。社内である程度サービスが育ったら別会社にして売却する。「L・コネクト自体で何百億を狙う、という発想はないんです。理念に沿って、挑戦する人を応援し、自分たちも挑戦し続ける」。福祉事業では、全国100拠点を目標に掲げる。
もう一つの軸が、若者支援だ。「今は起業ブームで、みんな行き急いでいる部分もある。でも、起業して長く続けるのは本当に大変。プラスもマイナスも含めて、いろいろ分かち合える場をつくりたい」。若い世代と食事を共にしたり、SNSで相談に乗ったりと、その取り組みはすでに始まっている。
面白いことを、一緒に
最後に、経営者へのメッセージを尋ねた。
「一緒に面白いことができたら楽しいですよね。こんなアイデアがあってやってみたいけど、リソースが足りない——そんな時に声をかけてもらえたら、面白いことができると思います」。来年には5000人規模のイベントも構想中だという。「スポーツ選手にも仲のいい人が多いので、企業×スポーツのような掛け合わせをやりたい。面白いと思うことをしたい人は、ぜひ声をかけてください。何でも形にします」。
挑戦する人の背中を押し、自らも走り続ける。岩佐代表の視線は、まっすぐ「面白い未来」に向いている。
会社概要
- 会社名:株式会社L・コネクト
- 代表者:岩佐やすか
- 事業内容:コンサルティング事業、企業顧問、マーケティング・プロジェクト支援、障がい福祉事業(「じゆうの輪」の運営・展開)、スポンサー事業 ほか
編集後記
数字を語る冷静さと、「面白いことをしたい」という熱。その両方を等分に持つ人だった。挑戦する人を裏側から支えたいという言葉に、幼少期の経験を糧に走り続けてきた岩佐代表自身の生き方が重なる。挑戦を後押しする大人がいることの心強さを、取材を通して確かに感じた。
