リード文
合同会社Frawcharmeの前田竜太郎氏は、自身の得意領域である電話営業を軸に事業を築いてきた経営者だ。「従業員の幸せが一番」と語り、人を雇い、育て、長く働いてもらうことにこだわり抜く。本記事では、前田氏が大切にする価値観と、これから目指す組織づくりの展望を伝える。
得意領域へ戻ってきた経営者
前田氏の歩みは、まっすぐな一本道ではなかった。異なる業態のフランチャイズに挑戦した時期を経て、最終的に自身の得意領域である電話営業へと立ち返ってきた。
「経験があるからノウハウもある」——そう語る前田氏にとって、電話営業はこれまで培ってきたものの延長線上にある仕事だった。従業員を抱える形ではなく、まず外注・自営業という身軽なスタイルで再スタートを切り、そこから着実に事業を組み立てていった。
「従業員ファースト」という信念
経営で最も大切にしている価値観を尋ねると、前田氏は迷わず「従業員ファースト」と答える。
「人を雇うって、すごく難しいんですよ。継続してもらうっていうのは、もっと難しい」。人手不足が叫ばれ、若い世代の離職も珍しくない時代。だからこそ前田氏は、自分たちの教えをきちんと浸透させ、従業員一人ひとりの満足度を上げていくことを「一番の仕事」だと位置づける。
難しさも痛感している。「価値観はみんな違う。ライフワークバランスも違う。うちが幸せだと思っていても、相手は全然違う考え方を持っていたりする」。それでも、多様な従業員それぞれの幸せを見つめ続ける姿勢は揺るがない。「今後もそこを曲げる気はない」と言い切る。
いただいた以上のものを返す
顧客と向き合ううえで前田氏が意識するのは、徹底した「コミット」だ。
「前田のところだから任せている、と言っていただくことが最近増えた」。その信頼は偶然ではない。「100件でいいと言われれば、130持っていく」。求められた以上のものを返し続ける——その積み重ねが信頼となり、また次の仕事を呼ぶ。「いただいたもの以上のものを渡す、というのはこだわっているかもしれない」と前田氏は語る。
どんな人と働きたいか
組織が広がれば、仲間も増えていく。前田氏が求めるのは、まず「真面目な方」。そして「相手の立場になれる人」だ。
「お客さんに対してもそうですし、従業員に対してもそう。相手のことを考えられる人がいい」。現在の従業員は8名。基本はパート勤務だが、その中にはマネジメントを担う社員候補もいる。次の事業展開に合わせて、彼女が中核メンバーとして組織を引っ張っていく未来を、前田氏は見据えている。
いま組織として強化したいのは「体系化」だ。「まだ自走できる仕組みになっていない。マネージャーがいないと回らない組織なんです」。マネージャーに頼りきりの状態から、下のメンバーが自ら考え動ける状態へ。仕組み化と人的マネジメントの両輪で、一段深く組織を鍛え直そうとしている。
1年後、30名の組織へ
今後の展望について、前田氏は明確な数字を口にする。「1年後には30名」。既存事業に加えて新たに始める事業もあり、売上の見通しはある程度立っている。だからこそ「とにかく人を増やしたい」。
増やしたいのは、単なる実働人員ではなく「コアメンバー」だ。電話営業のノウハウは前田氏とマネージャーがすでに体系化している。「僕たちがこれ以上プレイングで数字を上げても意味がない。それができる子たちを増やさないと横展開できない」。中間職となる人材が育てば、新たな採用もしやすくなり、組織は加速度的に広がっていく。「みんなが教えられるようになれば、2人ずつ見てもっと増やせる」。その好循環をつくることが、当面の最大のテーマだ。
地域・業界の中で目指す姿を問うと、前田氏はこう答えた。教育とマネジメント、そしてモチベーション管理で——「俗に言うと、売れたい」。飾らない一言に、実力で認められたいという静かな野心がにじむ。
これから飛び込む人たちへ
最後に、これから仲間になるかもしれない人たちへのメッセージを求めた。
「入れて、ほったらかしの会社って多いんですよ。うちはそれがない」。顔を突き合わせ、最後まで面倒を見る——そこに「熱い会社」だという自負がある。「電話営業は難しい業界と言われますけど、ノウハウがちゃんとあって、知ればそんなに難しくない。恐れず飛び込んできてほしい」。
不安を抱える人にこそ届けたい、まっすぐな招待の言葉だった。
会社概要
- 会社名:合同会社Frawcharme
- 代表者:前田 竜太郎
- 事業内容:電話営業を軸とした事業
- 従業員数:8名

編集後記
派手な言葉で自社を大きく見せることをせず、「今はそれほど大きな会社ではない」と繰り返す前田氏。その謙虚さの裏に、従業員一人ひとりの幸せを本気で背負う覚悟があった。人を雇う難しさを正面から語れる経営者は、決して多くない。育て、任せ、共に伸びていく——その地道な組織づくりの先に、前田氏の描く未来がある。
