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若い力は、全国どこでも通用する──「戻ってきたい」と思える会社をつくる

札幌を拠点に、若い世代の力で現場を支える株式会社リ・ボーンズ。代表取締役の森川貴史さんは36歳、自ら「社長と呼ばれるのが苦手」と語る等身大の経営者だ。上下関係を嫌い横一線でやってきた組織を、いま一人ひとりがプロフェッショナルとして輝ける形へと組み替えようとしている。気合と根性、そして「戻ってきたくなる会社」への想い──その経営哲学に迫った。

目次

お客様の「困りごと」を聞き出すことから

平成生まれの森川さんは、先人の職人たちが積み重ねてきた思いを受け継ぎながら、若さを武器に現場へ立つ。大切にしているのは、お客様との会話のなかで「何に困っているのか」を引き出す姿勢だ。

「お客様が困っていることは何か。それを聞き出すようなトークというのは、常に意識しています」

若い世代ならではのフットワークと、職人の技術への敬意。その両輪が、リ・ボーンズの現場を支えている。

「社長」と呼ばれたくない経営者の組織づくり

組織づくりについて、森川さんは率直だ。もともと上下関係をつくることに抵抗があったという。

「私自身、社長社長と言われるのがすごく嫌いなタイプなんです。森川さんとか森川君とか呼んでもらえた方が、僕は全然嬉しい」

これまでは自分を中心に横一線で役割を分担してきた。しかし会社が成長するなかで、業務分担をはっきりさせ、それぞれに「特化したプロフェッショナル」になってもらう必要を感じ始めている。縦割りで専門性のブロックをつくりつつ、その間をどうつなげるか──いまはそのスキームづくりに力を注ぐ。

根底にあるのは、相手への敬意だ。従業員だから、年下だからと線を引くのではなく、一人ひとりの尊厳を大切にしながら、個々の能力やオリジナリティを生かせるコミュニケーションを心がけている。

求めるのは、気合と根性、そして諦めない人

これから一緒に働きたいのはどんな人か。森川さんの答えはシンプルだった。

「気合と根性がたっぷり備わっている人。あとは、諦めない人ですね」

採用について特徴的なのは、外部から営業経験者を取り入れて営業活動をさせる、という発想を持っていないことだ。

「まっさらな人でいいんです。社会人経験がまったくない、名刺の渡し方もわからない。そういう部分からのオリジナリティが、実際どこに当てはまるのかを見極めたい」

まず自社のカラーに染まってもらい、そのうえで一人ひとりに合った部門を見定める。既製品の即戦力ではなく、これから育っていく人の可能性に賭ける採用観がそこにある。

「戻ってきたくなる会社」という展望

3年後、5年後の展望を尋ねると、森川さんはソフト面の理想を語った。創設期から働いてくれている20代・30代のメンバーを、いつか重役のポジションへ引き上げたい。

「例えば結婚して子どもが生まれる。そういう瞬間は絶対に出てきます。育休や産休のあとも『戻ってきたい』と思えるような、そういう席を用意してあげたいんです」

売上規模や従業員数といった数字で語ることもできる。けれど森川さんが見据えるのは、その先にある「ソフト面のさらにソフト面」。みんながカムバックしたくなる組織でありたい、という想いだ。

拠点展開の構想も明確だ。札幌を軸に、名古屋・東京・仙台の3拠点までは広げていきたいと考えている。

エリアごとに役割を持つ、分散型の会社づくり

さらに挑戦したいのは、機能ごとに独立した会社をつくっていくことだ。アルバイトの人材を専門に集める子会社、営業だけを担う会社──それぞれをコーポレート化し、エリアごとに役割を分散させる構想を描く。

「東京なら営業活動だけをする会社を、名古屋なら人材供給のための会社を、というふうに。その拠点その拠点に合った業務は何だろうと、日本全国を見たときに考えたんです」

現場のやり方がすべてのエリアで通用するとは限らない。だからこそ、地域の特性に合わせて機能を配置する。創設期メンバーの重役ポジションから逆算して組み立てられた、緻密な成長戦略だ。

読者へのメッセージ

最後に、経営者やお客様へのメッセージを尋ねた。

「まだまだ小さい会社なので、僕らを見つけてもらうのは難しいと分かっています。でも、同じ業種・業界の現場で見てもらえる機会が少なからずあると思うので、忘れないでもらいたい」

北海道・札幌という都市部から離れた土地からの発信。それでも森川さんの言葉には確かな自負がある。

「本州でも関東でも関西でも、全国どこでも通用するんだという、若い人たちの力をいっぱい見てもらいたいんです」

会社概要

  • 会社名:株式会社リ・ボーンズ
  • 代表者:代表取締役 森川 貴史
  • 所在地:北海道札幌市

編集後記

「社長と呼ばれたくない」と笑う森川さんの言葉の端々に、肩書きよりも一人ひとりの人間を見ようとする姿勢がにじんでいた。若さを引け目にせず、むしろ武器として全国へ挑もうとするその気概は清々しい。育休・産休を経ても「戻ってきたい」と思える場所をつくりたい──数字ではなく人の想いから逆算する経営に、これからの組織の一つの形を見た。

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