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現場に立ち続けるコンサルタント――「人が輝けば、組織は必ず伸びる」

アポロン・コネクト株式会社は、採用・定着・育成を一気通貫で支援するコンサルティング会社だ。代表の牧陽介氏が掲げるのは、机上の空論ではなく現場に常駐しながら成果を出す、再現性の高いコンサルティング。総合人材サービス業界で15年余りを過ごした牧氏が、なぜ「人の感情」に軸足を置くのか。その経営哲学と、これからの展望に迫る。

目次

15年の現場から見えた「人がベース」という結論

牧氏のキャリアは、総合人材サービス企業への新卒入社から始まる。人材派遣、人材紹介、採用代行、BPO、障害者雇用と、幅広い領域を15年3か月にわたって経験。うち10年間は管理職としてマネジメントにも携わってきた。

独立への思いは、入社当初から明確だったという。「いつから独立するか、10年を一つの目安として持っていました」。年月とともに独立の理由そのものは変化していったが、その決意は揺らがなかった。

15年の現場は、順調な時期もあれば苦しい時期もあった。「所属していた部門がすごく順調な時もあれば、ものすごくダメな時もあった。社員が定着していい時もあれば、どんどん人が辞めていく時もあった」。人材業として多くの人を企業に紹介する中で、活躍する人もいれば、縁が合わず退職していく人もいた。そうした浮き沈みの激しい日々を経てたどり着いたのが、「人がベース」という結論だった。

「人が輝かないと、組織は結果として売上も利益も増えていかない。組織全体が成長しない。それは結局、社会の停滞になってしまう」。人のパフォーマンスを最大限に引き出すことが先にあり、その結果として組織が良くなる――この順序への確信が、起業の原点になっている。

「第三者ではなく、社員に近い」現場常駐型のコンサルティング

アポロン・コネクトの特徴は、現場に深く入り込む伴走型のスタイルにある。相談に訪れる企業の悩みは採用にとどまらず、むしろ組織変革のニーズが多いと牧氏は語る。経営層が新しい取り組みを求めても、なかなか人が動かない。そうした「人が変わらない」という課題は、階層を問わず多くの企業に共通している。

顧客の規模は、従業員8名の企業から2,000名規模の企業まで幅広い。牧氏が選ばれる理由を、自身はこう分析する。「高度なノウハウや専門性があるわけではない。ただ、人の感情に寄り添って、言語化できていない本当の課題を、コミュニケーションを取りながら引き出して言語化していく。それが得意なんです」。

その姿勢は、顧客からの見られ方にも表れている。「現場の社員の方からすると、第三者的な立ち位置ではなく、社員に近い、一緒にやっている存在として見てもらえている」。毎週のように足を運ぶコンサルタントは珍しく、その距離感が心理的な安全性を生む。契約上は月1回のコンサルティングでも、実際には週1〜2回訪問し、さらに訪問しない日でも経営状況や社長の発信をリアルタイムで把握できる環境を整えてもらっている。こうした信頼の積み重ねが、別部門への依頼やM&A先の支援といった新たな相談へと自然につながっている。

論理と感情のバランスが取れる人と働きたい

2025年4月には初めて社員を1名採用し、現在は牧氏を含めて2名体制で事業を運営している。今後、仲間を増やしていくうえで牧氏が求めるのは、「基本的にポジティブで、正論と感情のバランスが取れる人」だ。

その理由を、牧氏は現場での実感から説明する。「人は論理だけでは動かない生き物です。誰が言うか、誰から言われるか、誰から教えられるかがすごく重要。『あなただから聞いてみよう、その提案を受けてみよう』という気持ちがあって初めて、現場は動いていく」。

論理的な部分はAIの発達によって補える時代になりつつある。だからこそ、沈んでいる人を引き上げ、大変な状況を感情で受け止めたうえで前を向かせる――そうした人対人の力の重要性は、この一年でいっそう強まったと牧氏は感じている。「感情のベースが整った時に、論理が初めて有効に働く。そう痛感した一年でした」。

コミュニケーション頻度こそ、伴走の生命線

顧客と向き合ううえで牧氏が最も大切にしているのが、コミュニケーションの頻度だ。「月に1回、週に1回だけのコミュニケーションで経営者や従業員の状況を把握しても、現場は日々リアルタイムで変化していく。それをキャッチアップするには、日々のコミュニケーション頻度がすごく大事なんです」。

訪問しない日でも常に相談を受けられる態勢を敷き、当日中に必ず返事をする。この姿勢は社内にも一貫している。牧氏は週4日以上を顧客先で過ごし、社員の出社は週1回ほど。それでも遠隔で毎日、電話やチャットのやり取りを欠かさない。「上司が不在の中で一人で仕事をするのは辛い環境。だからこそ、頻度だけは落とさないようにしています」。

一方で、牧氏は自社の課題も率直に認める。「私のビジネスモデル自体が、超労働集約型で超属人的。私自身がサービスを提供できなくなると、会社としては一気に危機的な状況になってしまう」。ただしこれは想定内の課題であり、次の一手も見えている。九州各県に自身と同じレベルのコンサルティングができる社員を育てていく――そのために、今まさに実績とノウハウを積み重ねる大事な局面だと捉えている。

結果にコミットし、人と組織を輝かせる

今後の展望は明快だ。直近3年は九州北部エリアで採用を進め、コンサル担当を育てていく。5年後には九州各県全域に必ず一人はコンサル担当がいる体制を実現する。

牧氏が本当に目指すのは、体制づくりの先にある成果だ。「顧客の売上や利益、社員の採用・定着・育成が、コンサルティング費用の5倍10倍良くなる。結果にコミットするコンサルティングを提供したい」。机上の空論ではなく、中小企業でも利用しやすい価格帯で確かな成果を出す。その先にあるのが、掲げる理念「人と組織を輝かせる」の実現だ。

「人材業のように紹介して終わりではなく、入った後にその人に輝いてもらうまで支援するパートナーでありたい」。牧氏のコンサルティングには、事前の提案書がない。「その人、その会社、その組織の状態をちゃんと聞いたうえでの最適解こそ、お客様にとって一番ベストだと思うから」。相手を理解しないまま用意したパッケージを差し出しても、心は動かない。だからまず、とことん聞く。

最後に、経営者へのメッセージを求めると、牧氏は迷いなく言い切った。「人の悩みは、全部受け止めます」。

会社概要

  • 会社名:アポロン・コネクト株式会社
  • 代表者:牧 陽介
  • 事業内容:採用・定着・育成を一気通貫で支援する人材コンサルティング

編集後記

取材を通して一貫して伝わってきたのは、「まず人を理解する」という徹底した姿勢だった。提案書を持たず、現場に週何度も足を運び、当日中に返事を返す。その一つひとつが、15年の浮き沈みから牧氏がつかんだ「人がベース」という確信に裏打ちされている。人が輝けば組織が伸び、やがて社会も前に進む――そう信じて現場に立ち続ける経営者の言葉には、静かな熱があった。

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