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みなりパートナーズ株式会社 内藤健司

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誰も損をしない仕事のかたち――完全成果報酬とデザインで築く「ウィンウィン」の経営

コスト削減のコンサルティングと、イラストを軸にしたデザイン制作。一見かけ離れた二つの事業を、完全成果報酬という独自の仕組みでつなぐのがみなりパートナーズ株式会社だ。代表の内藤健司氏が大切にするのは「関わる全員が良かったと思える仕事」。成果の返し方に選択肢を持たせ、優秀ながら報われてこなかったクリエイターに活躍の場をつくる。その発想と、これから世界へ広げようとする構想を聞いた。

完全成果報酬という選び方

みなりパートナーズの中心にあるのは、完全成果報酬型のコスト削減支援だ。成果が出た分だけ報酬を受け取る仕組みだが、内藤氏の工夫はその「返し方」にある。

「ほとんどの会社は、削減できた分をお金でくださいという形だと思います。うちの場合はそれも選択肢に入れますが、たとえば1000万円下がったら、その半分をデザイン制作の形で発注してくれませんか、という選び方も用意しているんです」

これが選ばれる理由になっているという。削減額が大きくなるほど、現金で支払うことに抵抗を感じる経営者は少なくない。そこで会社案内やホームページ、紹介動画、名刺といった「本当はやりたかった制作物」に振り替える。予算がなくて後回しにしていたことを、削減で生まれた原資で実現できる。

「やりたいことがあるのに予算がない。だったらその予算を私が作ります、という逆算なんです」。お金で返すのではなく、別の価値で助け合う。その関係性こそが顧客に喜ばれている。

イラストで選ばれる

もう一つの柱であるデザイン事業では、イラストが際立った強みになっている。

「動いてみて分かったんですが、うちはイラストが強いんです。ウェブデザインはAIでもいいという声もありますが、イラストはその良さがAIには出せない。ポートフォリオのイラストを見て選んでいただくことが多いんです」

出版社をはじめ、業種を問わず依頼が寄せられる。制作を担うのは、内藤氏が「優秀だけど稼げていない」と表現するクリエイターたち。妻ともう一人が正社員として関わり、ほかは外部委託の形でチームを組む。報酬水準を高く保っているため、優先して力を貸してくれるのだという。

「もっと稼げるはずなのに、という人たちと組んでいます。その人の特技やスキルで生活できるようにしたい、というのが根っこにある思いなんです」

「やる気が出ないスイッチ」を押さない

経営の軸に置く理念を尋ねると、内藤氏は迷わず「ウィンウィンです」と答えた。発注する側も受注する側も、関わる全員が良かったと思える仕事の仕方をしたい――その一言に、事業設計の思想が凝縮されている。

組織づくりで意識しているのは、少し意外な視点だ。

「やる気スイッチを押す、の逆ですね。やる気が出ないスイッチを押さないようにしています」

集まるのは独自の世界観を持った個性的な人が多い。だからこそ、みんながこうしているから、という同調を求めるコミュニケーションは避ける。飲み会に一律で誘うようなこともしない。一人ひとりの「やりたい・やりたくない」をできる限り尊重する。人を預かる以上、生活を守れるだけの安定した収入をつくることが経営者の責任だと考えている。

属人化という、強みであり課題

順調に見える一方で、内藤氏はビジネスモデルの弱点も率直に語る。

「仕組みという文脈で言えば、良くないモデルなんです。属人化している。現場も結局、私の経験に基づいていて、私だからできることになってしまっている」

コンサルティングの現場では、渡された質問票の順番どおりに聞けば同じ結果が出るわけではない、と言う。相手の話を聞きながら踏み込んだ問いを重ね、他社の事例を引き合いに出して信頼を得ていく。その積み重ねが成果を生む。デザインでも「この人に描いてほしい」という指名の受注が多く、属人性が高い。

再現性のあるモデルにしたい気持ちはある。だが「できると思っていないし、何なら、できなくてもいいと思っている」とも語る。仕組み化を進めるほど失われる良さがある。その塩梅の難しさと、預かる人たちの生活を守るための安定収入づくり。ここが今の最大の課題だと明かした。

世界へ、デザインが根付いていない国へ

これから挑戦したいのは新しい事業ではなく、活躍の舞台となる「国」を増やすことだ。現在はタイとインドのイラストレーターとチームを組む。インドでは美大とパートナーシップを結び、寄付講座を通じて日本の文化を伝える取り組みも進めている。

「優秀だけど稼げていない人が、デザインやイラストで生活できるようにしたい。だから、クリエイティブが評価されやすい欧米よりも、まだデザインが仕事として根付いていない国に仕事を作っていきたいんです」

見据えるエリアは中東やアジア。デザインという概念がまだ形になっていない土地に、新しい仕事を生み出していく構想だ。

読者へのメッセージも明快だった。「完全成果報酬型のコスト削減が得意です。導入費用はかかりません。予算がなくてやりたいことに手が出せない会社があれば、その予算を一緒に作れたら」。特に製造業との相性が良いという。興味があれば、まず一度聞いてみてほしい――そう語る表情には、関わる人みんなの「ウィンウィン」を本気で信じる経営者の芯があった。

会社概要

  • 会社名:みなりパートナーズ株式会社
  • 代表者:内藤健司
  • 事業内容:完全成果報酬型のコスト削減コンサルティング、デザイン・イラスト制作

編集後記

数字を追う話よりも、内藤氏の言葉は一貫して「人」に向いていた。優秀なのに報われないクリエイターに仕事をつくり、削減で生んだ資金を顧客のやりたいことに還す。損をする人がいない設計を、きれいごとではなく仕組みとして成り立たせている点に凄みがある。属人化という弱さすら正直に見せる姿勢は、かえって信頼に足るものだった。共栄の思想が国境を越えて広がる日を見てみたい。

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