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ワクワクを創造する——神戸から、クラフトビールで新しい熱をつくる

「エキサイトとクリエイティブを掛け合わせた造語なんです」。株式会社エキサイティブの社名には、ワクワクを世の中に届けたいという思いが込められている。代表の高見航大氏は、広告業界で培ったスキルを携えて地元・神戸へ戻り、クラフトビールを軸にしたイベントと飲食の事業を立ち上げた。前例のないコンセプトに反対の声もあった創業期をどう越え、いま何を見据えているのか。ワクワクを起点に事業を広げる経営者の哲学を聞いた。

目次

広告の現場から、地元・神戸への帰還

高見氏のキャリアは、大学卒業後に入社したマイナビから始まる。インバウンドマーケティングの部署に所属し、広告営業として経験を積んだ。

その後独立し、個人事業として広告事業に取り組む。SNSの運用、広告動画の制作、LP制作など、広告全般を手がけた。培った専門性を、次は自分の好きなことに活かしたい——その思いが次のステップへとつながっていく。

「将来は自分の生まれた神戸に戻って、好きなことで事業をやりたい」。30歳までに地元へ戻ろうと決めていた高見氏は、29歳のタイミングで神戸に帰郷。好きなクラフトビールを軸とした事業を展開し始めた。

「売り手が主役」の、変わったビールフェス

創業当初にスタートしたのが、クラフトビールのイベント事業だ。全国にクラフトビールのイベントは数多くあるが、エキサイティブが手がけるものは一風変わったコンセプトを持つ。

「多くのイベントは、クラフトビールの作り手であるメーカーが集まるものなんです。うちが主催しているのは、売り手であるビール屋さんが出店するイベント」。仕入れて販売する売り手が出ると価格が上がりやすく、広告効果も薄いといった事情から、こうした形態は珍しい。だからこそ独自性が際立つ。

そこから、神戸でクラフトビールを軸にしたイベントを次々と展開していく。音楽×アート×クラフトビール、スポーツと花火を掛け合わせた企画、ゴミ拾いジョギングとビールを組み合わせたイベント——切り口は多彩だ。「イベント運営は自社で企画しているので、ありきたりにならず、非常に独自性の高いものにできていると感じています」。

単発の熱狂を、街の日常へ

イベントはその日に盛り上がりを生み出せる一方、どうしても単発になってしまう。そこで高見氏は、神戸の街の中に常設できる空間をつくりたいと考えた。

こうしてオープンしたのが、クラフトビールとナチュラルワインの店だ。ここにも高見氏らしい工夫がある。「クラフトビール屋さんやワインバーは全国にたくさんありますが、あえて専門店にしていません。それによって、普段クラフトビールを飲まない人も足を運びやすいお店にできています」。

イベントを重ねるうちに相談を受けることも増え、イベントコンサルティングも手がけるようになった。イベント、店舗、コンサルティング——ワクワクを軸に、事業は自然と広がっている。

反対の声を越えて——信じてやり切った0→1

代表として最も大変だったのは、やはり創業期の0から1を生み出す局面だった。クラフトビール業界の出身ではなかった高見氏が前例のないコンセプトのイベントを立ち上げようとしたとき、周囲からは戸惑いの声が上がった。

「見ず知らずの人間が、今までにないコンセプトのイベントをやり始める。本当にうまくいくのか、という声は最初の頃にありました」。辛いというより「そりゃそうだよなと思いながら」受け止めていたと振り返る。

支えになったのは、一緒に企画する2人の仲間と、価値があると信じる気持ちだった。「ネガティブな声をもらっても、特にブレることなく進みました」。初開催には4000人弱が来場。終わってみれば周囲からも大成功だと評価された。「やりたいことを信じてやってよかった、という大きな学びになりました」。

ワクワクを指標に、前を向く人と

経営で大切にしているのは、社名に込めた「ワクワクを創造する」という理念そのものだ。「ワクワクすることを作って、ワクワクを世の中に提供していこう、と掲げています」。店舗ではさらに具体化し、「来られたお客様に『この空間なんかいいな』と思っていただけるような行動・言動」を指標にしている。

現在、社員はおらずアルバイトが中心だが、今後は正社員としての採用を進めていく計画だ。ともに働きたいのは、前向きな思考を持ち、自責志向のある人だという。「この2つが大事だと思っています」と高見氏は語る。

今後の展望も、社名の理念が軸になる。「ひとつのことにとらわれず、ワクワクを創造するというところを軸に事業を展開していきたい」。地域貢献にも積極的だ。地元からの評価をいただく機会や、兵庫県と連携したクリーンアップ活動なども増えてきたという。「地域を代表するというと大げさですが、地域貢献には積極的に取り組める企業でありたい」。業界に対しては、クラフトビールがもっと当たり前の存在になることで、イベントも店舗も相乗効果が生まれると考えている。「ビールを好きな人が増えるような貢献ができるといいなと思っています」。

最後に、高見氏はこう語った。「株式会社エキサイティブとして、社名の通りワクワクを創造していくという思いで事業を展開しています。その思いに共感いただける方、応援したいと思ってくださる方、面白い会社だなと興味を持ってくださる企業さんと、ぜひお話しできたら嬉しいです」。

会社概要

  • 会社名:株式会社エキサイティブ
  • 代表者:高見 航大
  • 所在地:兵庫県神戸市
  • 事業内容:クラフトビールを軸としたイベント事業、飲食店舗の運営、イベントコンサルティング

編集後記

広告の現場で磨いた企画力を、生まれ育った神戸で「ワクワクの創造」へと注ぐ。前例のなさを弱みではなく独自性へと転換し、反対の声の中でも信じたものをやり切る姿勢が、4000人弱を集めた初回の成功に結実した。単発の熱狂を街の日常へ、そして地域と業界への貢献へ——高見氏の描く輪は、着実に広がっている。その根にあるのは、いつも「面白いかどうか」という一貫した基準だ。

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