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「診断して終わり」にしない ― 色と言葉で人生に伴走するブランド戦略家

パーソナルカラー診断やイメージコンサルティングを軸に、経営者専門の英会話コーチング、結婚相談所、法人ブランディング支援まで手がける株式会社irodori。代表の和泉真彩氏は、小学生の頃から「社長になる」と決め、その言葉どおりに学生起業を果たした人物だ。独自メソッドを世界へ広げながら、「診断して終わり」ではなく実践まで伴走する“実践型イメコン”を日本のスタンダードにしようとする和泉氏に、その歩みと描く未来を聞いた。

目次

「社長になる」と決めた少女が、留学で見つけた武器

和泉氏のキャリアは、社会人経験を経ずに始まっている。大学在学中に起業しているためだ。その原点は、驚くほど早い。

「小学校6年生の卒業文集に、社長になると書いていたんです。予定どおり会社を作ったという感じですね」

両親はともに、自分の“好き”を生かした会社を経営していた。周囲も経営者ばかりという環境で、「将来は何の会社をやるの?」と問われて育ったという。社長になること自体は幼い頃からの決定事項。一方で、どんな事業をやるかは白紙だった。

転機は、就職活動が始まる時期に「自分には何ができるのか」と考えたことだった。思い当たったのが、留学経験だ。アメリカでマーケティングとブランディングを専攻し、日本の大学でも同じ領域を学んでいた。英語が話せること、海外で暮らした経験。それらを武器に、まずは英会話の講師として個人事業をスタートさせる。

やがて「会社を大きくしたい」という思いから対象をぐっと絞り込み、法人の代表取締役だけが入れる経営者専門の英会話コーチングスクールを立ち上げた。飛び込み営業も辞さず顧客を開拓したこのサービスは、現在10年目に入っている。

数値分析で世界に挑む、独自のパーソナルカラー診断

英会話コーチングを続ける傍ら、和泉氏はもう一つの柱を育ててきた。色彩の事業である。パーソナルカラー診断・顔タイプ診断・骨格診断を提供するイメージコンサルティングサロンを大阪で2店舗展開し、そこから結婚相談所や、診断士を養成するスクール事業へと派生させてきた。教育業としての色彩事業は、いまや同社の主力となっている。

強みは、和泉氏が自ら開発した独自メソッド「14タイプパーソナルカラー診断」にある。

「日本で行われているパーソナルカラー診断は、アジア人の肌に合わせて作られているんです。それを、どんな肌色・色素を持った方でも診断できるメソッドに落とし込んでいます」

このメソッドの開発には、3年の歳月と3000名分のデータを要した。診断の初期からメソッド化を見据えてデータを蓄積し、誰が診断しても正確に結果を出せるよう数値的な研究を重ねたという。日本発の“国際メソッド”として、いまや海外企業との連携も進む。

和泉氏自身が担当するのは、海外のVIP顧客に絞ったパーソナルカラー診断だ。累計で4000名以上を診断してきた。欧米では政治家や富裕層のものというイメージが強いパーソナルカラーだが、「アジアンビューティー」への関心とともに、日本で診断を受けたいという層が広がっている。ハネムーンで来日し、診断後にドレス選びまで楽しむカップルも多いという。

コロナ禍を越えて ― 事業を組み替えた経営者の胆力

10年以上の経営のなかで、和泉氏が「一番苦しかった」と振り返るのがコロナ禍だ。当時は飲食店、英会話スクール、留学エージェントを展開していたが、その全事業が一斉に止まった。

とりわけ深刻だったのが、フィリピンへ送り出していた留学生たちだった。帰国が困難になり、和泉氏は不眠で交渉を続けた。

「ご両親から、夜中の3時4時に『うちの子はどうなるんですか』と毎日お電話がかかってきて。もうダメかもしれないと思いましたが、なんとかなりました」

この危機を経て、事業は徐々に現在のかたちへと組み替えられていった。逆境のなかで事業ポートフォリオを見直す胆力が、いまの同社を形づくっている。

課題は「右腕」と、新事業の集客

多岐にわたる事業を率いる和泉氏が、最大の課題に挙げるのが幹部人材の育成だ。

「私は感覚派で、ワクワクすることは全部やってしまうタイプ。それをうまく制御しつつ、事業を推進してくださる方が必要なんです」

自分とバランスを取れる人材をどう採用し、育てるか。10期目、20期目に向けた最も大きなテーマだと語る。

もう一つの課題が、比較的新しい結婚相談所事業の集客だ。飲食やイメージコンサルティングと違い、サービスに満足しても顧客が自ら発信しにくい領域である。「怖い」「お金がかかる」といった業界イメージも壁になる。どうすれば関心を持つ人と接点を持てるか。和泉氏はいま、その問いに向き合っている。

この結婚相談所も、実は偶然の産物ではない。イメージコンサルタントとして現場に立っていた頃、顧客から寄せられた声が開業のきっかけになった。すべての事業が、和泉氏の実体験と顧客の要望から地続きにつながっている。先週には新たにブライダルサロンもオープンし、月8回のイベント開催を目指す。

2030年へ ― 「実践型イメコン」を日本のスタンダードに

和泉氏が見据える未来は明確だ。パーソナルカラーのスクール海外支部を10カ国に広げること。そして、コーポレートカラーやミッション・ビジョン・バリューの策定を支援する「色と言葉のブランド戦略」を、法人向けサービスとして育てていくこと。

なかでも和泉氏が最も強く語ったのが、イメージコンサルティング業界そのものを変えたいという思いだ。

「診断して終わりではなく、その内容を実際に生活で実践していけるようにしたい。診断の2週間後にフォローセッションまでをセットにして、それを日本のイメコン業界のスタンダードにしたいんです」

診断結果が“毎日に生きる”こと。似合う色を知るだけでなく、それが日々の彩りにつながること。和泉氏は、イメージコンサルタントとして顧客の人生に関わり続ける「実践型イメコン」の担い手であろうとしている。

会社概要

  • 会社名:株式会社irodori
  • 代表者:和泉真彩
  • 設立:2019年6月3日
  • 事業内容:パーソナルカラー診断・イメージコンサルティング、経営者専門の英会話コーチング、パーソナルカラー診断士養成スクール、結婚相談所、法人ブランディング支援
  • 従業員数:12名(業務委託含む)
  • 販売実績:パーソナルカラー診断 累計4000名以上
株式会社irodori 代表 和泉真彩

編集後記

小学生の頃に「社長になる」と決め、そのとおりに道を切り拓いてきた和泉氏。その歩みは一見華やかだが、飛び込み営業からコロナ禍の交渉まで、泥臭い実行の積み重ねに支えられている。感覚を信じて事業を広げながら、「診断して終わりにしない」という一点で顧客の人生に伴走し続ける姿勢に、色彩という仕事の奥行きを感じた。似合う色を見つけることは、その人が自分らしく生きる後押しになる。和泉氏の挑戦は、その確かな社会的意義を静かに物語っている。

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