株式会社ki-zu-naの渋谷智弘氏は、ブランド品を扱うセレクトショップ「Cocole tutto」を運営する経営者だ。アパレルの世界で培った目利きと海外サプライヤーとのネットワークを土台に、販売チャネルとカテゴリーを着実に広げている。本記事では、渋谷氏がチームで最も大切にする「約束を守る」という価値観、生成AIを前提とした組織づくり、そして若い才能を発掘したいという夢について聞いた。
「約束を守る」——チームで共有する一つの価値観
現在、現場で動いているのは3人、チーム全体では6人ほど。少人数だからこそ、渋谷氏がメンバーに繰り返し伝えていることはシンプルだ。
「単純なんですけど、約束を守ってねとは言いますね。お客様との約束だったり、僕との約束であったり。そういうのはすごく大事になります」
突飛な能力や特別なスキルよりも、まず人間性を重んじる。「人間的に欠けているものがあると、やっぱりうまくいかない」と渋谷氏は語る。お客様と向き合うためのコミュニケーション能力、その根底にある「嘘をつかない」という姿勢。それらをひとつにまとめた大きな約束が、「約束を守ろうね」という言葉に込められている。
ブランド品を軸にした事業と、次の一手
「Cocole tutto」は、ブランド品を中心に扱うセレクトショップだ。渋谷氏自身がファッションの世界に長く身を置いてきた経験があり、海外のサプライヤーから情報やデータを得ながら仕入れを行っている。
事業の柱はアパレルの新品販売だが、渋谷氏はここに中古買取を組み合わせようとしている。「新品で買っていただき、中古でまた弊社グループで売ってもらって再販売に繋げるみたいな一つのサイクルができたらいい。」新品でも中古でも扱い、さらに買取まで担うことで、ブランド品が循環する仕組みをつくろうという構想だ。
取り扱いカテゴリーも、アパレルにとどめるつもりはない。ジュエリーをはじめ、さまざまなアイテムへと幅を広げていきたいと考えている。
生成AIを前提にした組織づくり
渋谷氏が新しい仲間に求めるのは、センスよりもまず「ファッションが好きであること」、そして時代に合った働き方だ。
「新しいことを学ぶということと、自分で考えて行動できて、生成AIというものが使えるようになってくれた方が、チームとして任せられる仕事が増えてくる」
楽天、BUYMA、そして自社ECと販売チャネルが広がるなか、限られた時間で成果を出すにはツールを使いこなす力が欠かせない。「人にしかできないことと、生成AIでできることがある。時間を有意義に使える組織にしたい」と渋谷氏は語る。常に時代をcatch upしながら成長できるチームを構築していきたい。
若き才能を発掘するショップへ——今後の展望
自社ECの立ち上げによって、事業は次のステージに入る。当面の目標として渋谷氏が掲げるのは、まず一つの大台に乗せること。販売チャネルを成長させ、扱うブランドとカテゴリーを広げながら、着実に規模を積み上げていく考えだ。
その先に渋谷氏が描くのは、一つの夢だ。「ショップに力をつけて、やる気のある若手のデザイナーさんを招き、Popupで販売の機会をつくりたい。そこから人気になってくれば、うちも嬉しいし、色々なデザイナーさんと出逢い共に成長できると確信しています。」ECを軸にSNSでプロモーションをかけ、意欲ある作り手とシーズンごとに組んで、新しい試みを一緒に楽しんでいく。自分のショップを鍛えることが、その第一歩になる。
経営者の読者に向けて、渋谷氏はこう呼びかける。「ブランド品を買うなら、ぜひ『Cocole tutto』で。お待ちしています」
会社概要
- 会社名:株式会社ki-zu-na
- 代表者:渋谷智弘
- 事業内容:ブランド品を扱うセレクトショップ「ココレトゥット」の運営(新品販売・中古買取)
- 所在地:東京都中央区銀座2-14-4 銀座スクエアB1F/1F
- 販売チャネル:BUYMA、楽天、自社EC(2026年9月開設予定)
編集後記
「約束を守る」「嘘をつかない」。渋谷氏の言葉は終始、派手さよりも誠実さに軸足があった。ブランド品の循環をつくり、若い才能に場を開くという構想は、単なる物販を超えて人と人とをつなごうとする意志の表れだろう。少人数のチームで着実に歩を進めるその姿勢に、これからの伸びしろを感じた取材だった。
